知ってる? 電気コード火災を防ぐ、正しいコンセントの使い方。ほこりや変形には要注意

暖房器具を使う冬は、乾燥のため住宅火災が起こりやすいといいます。発生原因と、電気火災を防ぐ7つのポイントを紹介します。
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冬は住宅火災が多く発生します。それは、冬場の空気が乾燥していて発火や延焼が起こりやすいことと、住宅内で暖房器具が使われるからです。

では、どうしたら冬場の住宅火災を防げるのでしょうか。今回は消防庁などの資料を基に、電気火災と電気コード火災の発生原因と安全対策のポイントをご紹介します。

電気火災が増えている

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近年、住宅火災における電気火災(家電製品や電気配線を原因とする火災)が増えています。2013年は1,431件でしたが、2022年は2,018件と10年間で約4割増えていて、住宅火災の原因の第1位となっています。

消防庁で調査を行ったところ、これらの電気火災の発生原因の約7割は使用者に起因していて、不適切な使用や維持管理不良によるものでした。

また、住宅火災における電気コード火災の件数を調べた東京消防庁の調査によると、2023年には377件発生していて、過去10年間で最多となっています。

電気コード火災のおもな原因と対策ポイント

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都内で発生した電気コード火災の内訳を見てみましょう。

もっとも多い原因は、電線の短絡です。短絡とは、コンセントと差し込みプラグの間にクリップなど電気を通すものが挟まり、電気が外へ流れて発火することです。

2番目に多い原因は、金属の接触部の加熱です。代表的なケースとしては、変形している差し込みプラグをコンセントに差し込み、接触部の抵抗が増して発火する現象があります。

3番目に多い原因は、トラッキングです。トラッキングとは、コンセントに差したプラグの刃と刃の間についたほこりが、湿気を帯びることで電気回路を形成し、放電による火花が発生して出火する現象を指します。

こうした電気コード火災を防ぐためにも、次のような対策ポイントを覚えておきましょう。

▼「電線の短絡」「半断線」対策
コード内で回線が切れる半断線を起こさないように、コードの折れ曲がり、家具等の下敷きに注意してください。電気コードを束ねて使用するのも危険です。また、すでに被覆(ひふく)がはがれているコードの使用は控えましょう。

差し込みプラグから抜くときにコードを引っ張ると内部で断線する恐れがあるので、コードではなくプラグ本体を持って抜いてください。

▼「金属の接触部の過熱」対策
プラグはコンセントにしっかり差し込むようにしましょう。

また、プラグやコンセントに変形等がないか、定期的に点検してください。

▼「トラッキング」対策
プラグやコンセントにほこりが溜まらないように、定期的に掃除してください。特に隠れているところにある差し込みプラグに注意しましょう。

また、外出時や就寝時など使わないプラグはコンセントから抜いておきましょう。

このほか、電流過多にも気をつけてください。

電源タップを決められた容量以上で使用すると、電流過多で発熱し火災の原因になりますので、決められた容量内で使用することも大切です。電源タップには定格容量が定めてあるので、購入時の説明書などを読んで使える容量を確認しておきましょう。

住宅用火災警報装置が命を守る

電気コード火災で亡くなった人の約5割が、就寝中に発生した火災で命を落としています。日頃から火災に注意している人でも、電線の短絡、半断線、トラッキング、などは、火を使用している意識がないために気づきにくいという特徴があります。

そこで必要になるのが、火災の煙や熱を感知して警報音を発する住宅用火災警報装置です。住宅用火災警報装置をすべての居室、台所、階段に設置すると、火災が小さいうちに発見でき、自分の命を守ることができます。

冬場に多い電気火災と電気コード火災の発生原因を知り、適切な使用と維持管理を行うことで安全な暮らしを守りましょう。
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参考資料
総務省消防庁「住宅における電気火災に係る防火安全対策のポイント」、東京消防庁「火災予防」、同「電気火災」、同「事業所からの電気火災を防ごう!【消防署制作動画・丸の内署】」

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