就活セクハラ、学生からは「夜の面会やLINE交換の禁止」を求める声。インターンや卒業生訪問での被害も

「就活セクハラ」の防止策を企業に義務付ける法改正の準備が進んでいます。学生が評価した企業の防止策や、厚生労働省が呼びかける注意点についてまとめました。
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mapo via Getty Images

就職活動中やインターンシップ中の学生たちが受ける性的な嫌がらせ「就活セクハラ」。

厚生労働省は「食事への執拗な誘い」「性的な関係の強要」などはセクシュアルハラスメントに該当する許されない行為だとし、企業に対策をとるよう呼びかけている

就職支援サービスを運営するキャリタスは、2026年3月に卒業予定の大学3年生(理系は大学院修士課程1年生含む)1011人に就活セクハラなどに関する就活状況についての調査を実施し、その結果を1月16日に発表した。

「夜間の面会禁止」「面会時の飲食禁止」が学生から評価

厚労省は「就活セクハラ」の防止策を企業に義務付ける法改正の準備を進めると公表しているが、そのことを知っている学生は全体の30.3%であった。

企業の防止策としてすでに行われているものの中から、学生から見て評価できると選ばれたのは、「夜間の面会禁止」が60.2%と最も多く、続いて「面会時の飲酒禁止」(56.5%)、「私的な連絡先の交換(LINEなど)を禁じる」(49.4%)という結果になった。

一方で、「OB・OG 訪問はオンラインで」を選んだ学生は28.0%、「人事以外との面会はナシ」は6.3%と少なく、単に直接の接触を制限することを望んでいるのではなく、安心して面会できる対策が求められていると、キャリタスは分析している。

厚生労働省も防止策を呼びかけ

法改正の動きに伴い、厚生労働省も企業側に防止を呼びかけている。

「性的な冗談やからかい」「食事への執拗な誘い」「拒否等したことによる不利益(採用差別・内定取り消し等)」などの行為を問題としたうえで、就活セクハラは正式な採用活動だけではなくインターンシップへの参加時やリクルーターとの面会時、卒業生訪問の際にも起きているという。

男女雇用機会均等法において、事業主に対し職場のセクシュアルハラスメント防止対策を講ずることを義務付けているとして、企業側に以下のような対策の設置を呼びかけている。

①学生と接する際のルールをあらかじめ定める
②自社社員以外(学生、フリーランスetc)に対してもハラスメントは行ってはならない旨を研修する
③ハラスメントを行った場合は厳正な対応を行うこと
④採用活動を企業として適切に管理する
⑤就活生の相談窓口を設置し、対応する

就活セクハラをめぐっては、NECが1月14日に、「当社の社員が、就職活動中の学生に対し猥褻な行為をしたとして逮捕された」と発表し、採用活動指針を見直すことを報告している

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