職場に「いじめがある」と答えたのは7割。加害者に多い属性、いじめやハラスメントの内容とは【調査結果】

いじめの相談を受けても何もできなかった人が過半数で、被害者によると、加害者は役職が上、もしくは年上が多かった。

厚生労働省に寄せられた労働に関する相談の中で、12年連続で最多となっている「いじめ・嫌がらせ」。

働き方に関するメディア・キャリアクラフトは1月14日、職場でのいじめやハラスメントに関する実態調査の結果を公表した

約7割の人が職場にいじめが「あった」と回答。そのうち23%が実際に職場いじめの被害にあっていたことがわかった。

◆いじめの加害者は、歳上が多かった

調査は、2024年11月27日から12月11日、社員・アルバイトとして働いた経験がある人を対象に実施し、300件の有効回答を得た。

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調査では、65%の人が職場でいじめが「あった」と回答した(複数回答可)。 内訳は、「目撃した」が37%で最多。「噂で聞いた」(23%)、「相談を受けた」(15%)と続いた。また、自分が実際にいじめを受けた人は23%(64人)いた。

その後について、40%が「退職」し、34%が「我慢した」と答えた。また、26%は被害を周囲に相談したものの、解決したと回答したのは半数を切った。

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いじめの加害者の役職を聞くと、34%が「上司」、31%が「先輩」だった。

調査には、「気が弱くおとなしい女性。特に派遣社員など、立場が弱い人が辞めていくような気がする」「加害者の上司より、役職が低かったり、年齢が下の人が狙われていました」といったコメントが寄せられた。

担当者は「立場上、自分に逆らえない相手をいじめている」傾向があるとした上で、「日本では年上を敬う価値観が根強いので、同じ役職でも年上による理不尽な指示や行動に我慢する人が多く、年上による職場いじめ・嫌がらせが起こりやすいのかもしれません」と分析する。

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いじめの内容について、最も多かったのは「失敗を執拗に責める」こと。続いて、「陰口を言う」、「仕事を押し付ける、もしくは与えない」で、以下のような被害の体験が寄せられた。

「仕事を与えるが、少しでも失敗すると執拗に責める、その人のいないところでいかに仕事ができないか陰口をいう」(加害者:上司、被害者:20代)

「皆が交代で持ち場を代わる中、ターゲットになっている人だけ、一日中、大変なポジションにつかされる。悪口を言う。わざと何かを破損させ、それをその人のせいにする」(加害者:同僚、被害者:30代)

担当者は「『パワハラ』という言葉がすっかり浸透し、職場の人間関係の在り方が改善・見直されるなか、アンケートの結果からはまだまだ悪意のあるいじめが職場に存在していることが分かりました」としている。

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