アメリカのトランプ次期大統領の就任式が1月20日正午(日本時間21日午前2時)、首都ワシントンで開かれる。
就任式には、トランプ氏の選挙キャンペーンを支援した実業家のイーロン・マスク氏をはじめ、世界を代表するテック企業のトップらが出席する見通し。通例と異なり海外の首脳級や要人が招待され、イタリアのメローニ首相らも出席する。
就任式には誰が招待され、出席するのか。公式発表や各社の報道をもとに紹介する。
【画像】写真で見る主な出席者一覧
政治家、異例の首脳級の招待・出席も
アメリカの大統領就任式は、歴代の大統領が出席することが慣例で、バイデン大統領やオバマ元大統領らが出席する見通し。トランプ氏は、前回2021年のバイデン氏の大統領就任式には出席しなかった。
海外からは、いずれも右派のイタリアのメローニ首相やアルゼンチンのミレイ大統領、イギリスの野党「リフォームUK」党首のファラージ氏らも招待・出席する。各国からは駐米大使が出席するのが通例で、首脳級や要人の招待は異例となる。
中国は、招待された習近平国家主席は欠席し、代わりに韓正(ハンチョン)・国家副主席が出席する。中国外務省は「中国は、米中関係を見守り成長させる上で相互尊重や平和的共存、ウィンウィン協力の原則に従う」として、トランプ氏の面子を立てる形で国家の重要人物を代役に立てた。
Interfax通信によると、ロシアの代表は就任式に出席しないという。ウシャコフ大統領補佐官は「もし臨時代理大使が招待されれば出席する」と説明している。
経済人、GAFAなど主要テック企業が勢揃い
シリコンバレーを代表する世界的な主要テック・SNS企業のトップが軒並み出席する。
Xのマスク氏のほか、メタのザッカーバーグ氏やAmazonのベゾス氏らが名前を連ねる。また、アメリカでの利用が禁止される法律が議論になっているTikTokの周(ショウ)氏も出席すると伝えられている。
AP通信によると、ザッカーバーグ氏は、就任式前に開かれるレセプションパーティの共同ホストを務めるという。
ベゾス氏は米紙ワシントン・ポストのオーナー。同紙はこれまでの大統領選で民主党の候補者を支持してきたが、2024年11月の大統領選では特定候補の支持をしないと表明。この方針転換を決めたと言われている経営陣のベゾス氏は、「大統領選の支持表明は、(メディア側に)バイアスがあるという認識を生み出しているだけだ」などとコラム記事で説明している。
中国系の動画投稿アプリTikTokは、1月19日施行の「TikTok禁止法」でアメリカでの利用が一時禁止されたが、トランプ氏が救済を約束してサービスが復帰した。
トランプ氏は1月9日、報道陣に対して「ジェフ・ベゾス氏も来た。ビル・ゲイツ氏もきた。マーク・ザッカーバーグ氏もきた」と主要テック企業のCEOたちの訪問を受けたと話していた。
日本の出席者
またウォール・ストリート・ジャーナルの記者によると、安倍昭恵氏も「メラニア夫人の特別ゲスト」として出席するという。夫の故安倍晋三元首相が大統領1期目のトランプ氏と親交を深め、昭恵氏は2024年12月、アメリカ・フロリダにあるトランプ氏の私邸「マール・ア・ラーゴ」に招かれていた。
主な出席・招待者
就任式に招待・出席する主な政治家や経済人らは次の通り。
◇政治家
・ジョー・バイデン米大統領
・カマラ・ハリス米副大統領
・バラク・オバマ米元大統領
・ビル・クリントン米元大統領
・ジョージ・W・ブッシュ米元大統領
・イタリアのジョルジャ・メローニ首相
・アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領
・イギリス右派政党「リフォームUK」党首のナイジェル・ファラージ氏
・中国の韓正(ハンチョン)国家副主席
・岩屋毅外務大臣
・自民党の片山さつき氏
・安倍昭恵氏
など
◇経済人
・Xのイーロン・マスク氏
・メタのマーク・ザッカーバーグ氏
・Amazonのジェフ・ベゾス氏
・TikTokの周受資(ショウ・ジ・チュウ)氏
・Appleのティム・クック氏
・OpenAIのサム・アルトマン氏
・Googleのスンダー・ピチャイ氏
・マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏
など