米ペンシルベニア州フィラデルフィアで、対戦相手のファンを性差別的な言葉で侮辱したNFL(プロアメリカンフットボール)のサポーターが、勤めていた会社を解雇された。
問題が起きたのは、1月12日に行われたグリーンベイ・パッカーズとフィラデルフィア・イーグルスの試合だ。
パッカーズファンのアリー・ケラーさんが観戦していたところ、フィラデルフィア・イーグルスのサポーターに後方から卑猥な言葉で罵られた。
ケラーさんの婚約者アレクサンダー・バサラさんが撮影した動画には、このサポーターがケラーさんを「醜くて馬鹿なクソ女」と罵倒する様子が映っている。
バサラさんは動画をXに投稿。「フィラデルフィアに行って、ただ自分のチームを応援していただけなのに……挑発してもいないし、こんなこと言わなくてもいいでしょう」と述べ、「この男性を見つけるのを手伝ってください。こんなことが許されてはいけません」と協力を呼びかけた。
その後、問題のイーグルスサポーターは特定され、イーグルスの本拠地リンカーン・フィナンシャル・フィールドへの入場禁止の処分が下った。
さらに、このサポーターを雇用していたコンサルティング会社BCTパートナーズも14日、社内調査を実施して契約を解除する決定をしたと声明で明らかにした。
BCTパートナーズは声明で、元従業員の行動と言動を「卑劣で、不快、許容されるべきものではなく、我々の職場や社会にふさわしくない」と強く非難。その一方で「どんな人も、最悪の日に取った行動で記憶されるべきではない」として、元従業員が成長するための援助をしたとしている。
ケラーさんは当日の様子について、応援するチームの違いから「試合が進むにつれて徐々に周りの雰囲気が悪くなり、問題のサポーターが容姿を侮辱し始めた」とフィラデルフィアのテレビ局NBC10の取材に述べた。
このイーグルスファンはケリーさんに向かって「自分に話しかけるほど綺麗じゃない」という発言もしたという。
ケリーさんは「彼は私を個人攻撃をしていました。『パッカーズなんてくたばれ』という言葉であれば別ですが、彼はずっと私の見た目のことを言っていました」と語っている。
アメリカでは、2024年10月に行われたMLBワールドシリーズの試合で、ロサンゼルス・ドジャースのムーキー・ベッツ選手のグローブからファウルボールを奪ったニューヨーク・ヤンキースのファン2人も、全球場で入場禁止となっている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。