仕事への違和感を解消する一つの手段として、一時的に働くことから距離を置く「キャリアブレイク」。
欧米では一般的に浸透している概念ではあるが、日本では「無職=ネガティブ」なイメージも根強く、履歴書の“空白期間”を作ることに不安を覚える人も少なくない。
そんな中、就職支援サービス「ハタラクティブ」が中途採用担当者を対象にした「キャリアの空白期間に関する正社員採用の実態調査」を実施。その結果を1月14日に公開した。
「キャリアブレイク」知っているは約4割
ハタラクティブは、「レバレジーズ」(東京)が運営するフリーター・既卒・第二新卒向け就職支援サービス。
調査は2024年11月12〜14日、現在中途採用をしている人事担当者334人を対象にインターネット上で実施した。
まず、「キャリアブレイクについて知っているか」と尋ねた結果、「言葉も意味も知っている」と回答した担当者は38.3%だった。「言葉は聞いたことがあるが、意味は知らない」は34.5%、「言葉も意味も聞いたことがない、知らない」は27.2%だった。
キャリアブレイクの「言葉も意味も知っている」と回答した担当者が所属する企業を規模別で見ると、社員数が50人未満の企業は認知度が低い傾向にあることがわかった。
キャリアに空白、採用判断に影響は5割超
また、「キャリアに空白期間があることは採用判断に影響があるか」については、53.0%が「影響する」と回答。「影響しない」は37.4%にとどまった。
「影響する」と答えた担当者(177人)に、「採用判断に影響する空白期間の長さ」を尋ねたところ、最も多かったのは「1年以上」で32.8%。続いて、「半年未満」で29.9%、「1年未満」で22.0%、「3カ月未満」で15.3%だった。
「空白期間が採用判断に影響する理由(複数回答)」を聞いたところ、「仕事への耐性が弱そうだから」が52.5%で最多だった。
「身体的・精神的な理由の休養で離職していた場合、それが再発しそうだから」が47.5%、「仕事への意欲が低そうだから」が35.6%、「年齢の割に経験が浅いと思うから」が18.1%と続いた。
反対に、「選考に影響しない空白期間の理由」は、「留学やワーホリなどの海外経験」が59.3%で最も多く、次いで「結婚・産育休などのライフイベントに関すること」が58.4%、「家族の看病・介護」が55.5%だった。
今回の調査を受け、ハタラクティブは「企業はキャリアブレイクに対する考え方や、価値観についてさらなる理解を深める余地があると言える」と指摘。
その上で、「キャリアブレイクを理解することで、これまで見逃していた層にもアプローチできる一手となる。様々な経験や価値観を持った一人ひとりと向き合っていくことが大切」と結んだ。