韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が2024年12月、非常戒厳令を布告したことを巡り、警察などで構成する合同捜査本部は1月15日、ユン大統領の拘束令状を執行したと発表した。NHKなど各社が報じた。
拘束令状が執行され、現職の大統領が拘束されるのは韓国で初めて。容疑は内乱を首謀した疑いという。
昨年の経緯を振り返る
ユン大統領は2024年12月3日午後10時半頃、国民に向け緊急談話を出し、「自由憲政秩序を守るために非常戒厳を宣布する」と述べた。
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2022年に政権が発足して以来、多数の政府官僚の弾劾訴追が発議されるなど、「国政がまひ状態にある」ことなどが理由だと説明したが、翌4日午前1時頃、国会は本会議を開き、非常戒厳を解除するよう要求する決議案を出席議員190人の全会一致で可決。
ユン大統領は緊急談話から約6時間後の同日午前4時過ぎ、「非常戒厳」を解除する方針を示し、「軍も撤収させた」と述べた。
韓国で非常戒厳が出されたのは1987年の民主化後初めてだった。1980年5月には戒厳令下で軍政に抗議した市民が数多く虐殺された「光州事件」も起きた。
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