アメリカのドナルド・トランプ次期大統領は12月22日、ペイパル共同創業者のケン・ハウリー氏をデンマーク大使に指名すると発表し、その中でグリーンランド購入の意思を示した。
ハウリー氏は第1次トランプ政権でスウェーデン大使を務めた人物だ。
トランプ氏はハウリー氏を「ペイパルとファウンダーズ・ファンドの共同創設者であり、アメリカのイノベーションと技術の指導力を世界的な成功のストーリーにした。この経験は国外で我々を代表する際に非常に有益なものになるだろう」と、トゥルースソーシャルで紹介。
「世界の国家安全保障と自由のために、アメリカがグリーンランドを所有し管理することが絶対に必要であると感じている。ケンはアメリカの利益を代表する上で素晴らしい仕事をするだろう」と述べた。
トランプ氏はこの時、「デンマークにとってグリーンランドの所有は巨額の損失であり、悪影響を被っている。アメリカにとってグリーンランドの購入は戦略的に良いことだ」と主張した。
しかしグリーンランドの外相は「島は売り物ではない」と述べて提案を拒否。デンマークのメッテ・フレデリクセン首相も、「ばかげている」「幸いにも、他国やその住民を売り買いする時代は終わった」と提案に応じない姿勢を見せた。
今回も、すでにグリーンランドやデンマーク側は売却の意思はないとしている。
グリーンランドのムテ・ボーロップ・エーエデ首相は12月23日、「グリーンランドは私たちのものであり、今もこれから先も売り物ではない」とFacebookに投稿した。
AP通信によると、デンマークのフレデリクセン首相もグリーンランドは売り物ではないとコメントしている。
アメリカは長年にわたり、グリーンランドを軍事戦略上重要な島と捉えてきた。1946年には、約1億ドルでグリーンランドを購入する提案をしている。
トランプ氏は2025年1月の就任を前に、他国でもアメリカ第一主義の政策を進める姿勢を見せている。
21日には、中米パナマにあるパナマ運河の通航料を「ぼったくり」と批判し、管理権をアメリカに返還するよう要求する可能性もあるとした。
これに対し、パナマのホセ・ラウル・ムリノ大統領は「運河はすべてパナマに属しており、今後も属し続ける」「我が国の主権と独立に交渉の余地はない」と述べ、管理権のアメリカ譲渡の可能性を否定した。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。