クリスマスや正月は「子どもの誤飲事故」に注意。飾りやプレゼントは適切に取り扱いを

クリスマスやお正月は「子どもによる誤飲事故」に注意が必要です。

クリスマスや正月を前に、消費者庁が子どもによるプレゼントや飾り物の誤飲事故に注意するよう呼びかけている

X線検査で小腸内に約5ミリの釘

消費者庁や国民生活センターには、子どもの誤飲事故に関する情報が医療機関から複数寄せられている。実際に起きた事故は次のとおり。

「子どもがクリスマス飾りの部品を誤飲。X線検査で小腸内に約5ミリの釘が見つかった」(1歳)

「鏡餅のパックを子どもの近くに置いておいたところ、中からプラスチック製の飾りの橙を取り出して口に入れた」(1歳)

「保護者がクリスマスの飾りを出していたところ、光る飾りをなめて中のボタン電池を飲み込んでしまった。飾りを投げて壊し、蓋が取れてしまったようで、X線検査で胃内に確認された」(0歳9か月)

このほか、クリスマスプレゼントの「マグネットボール(強力な磁石のセット)」を3歳児が誤飲し、マグネットが腸を挟んで穴が開く事故も起きているという。

3歳児の口の大きさは直径約4センチ

消費者庁によると、3歳児の口の大きさは直径約4センチ。小さな子どもは様々なものに興味を示して口に持っていくが、これより小さいものは子どもの口の中に入る。

子どもの誤飲や窒息の危険を回避するため、同庁は以下のポイントに注意するよう呼びかけている。

①小さな物、小さな部品が外れる可能性があるものは飾り物に使用しない

②子どもへのプレゼントは、贈る側・受け取る側の双方の大人が子どもの年齢や発達に合った安全に配慮されたものであることを確認する

③子どもに渡す前に、製品の取扱いの注意事項を確認し、破損などの不具合がないか確認する

④年長の兄姉の玩具の取扱いにも注意する

また、窒息の危険など万が一の場合に備え、応急手当の方法を確認しておくことも必要だ。

こども家庭庁の「もしもの時の『応急手当方法』」によると、まずは119番通報を誰かに頼み、直ちに詰まった物の除去を試みる。

1歳以上の幼児には、まず「背部叩打法」を行い、異物が除去できなかった場合は「腹部突き上げ法」を行う。

背部叩打法は、幼児の場合は子どもの後ろから片手を脇の下に入れ、胸と下あご部分を支えて突き出し、あごをそらせる。片手の付け根で両側の肩甲骨の間を強く迅速に叩く。

腹部突き上げ法は、後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫する。

1歳未満の乳児には、「背部叩打法」と「胸部突き上げ法」を数回ずつ交互に行う。

1歳未満の場合、背部叩打法は片腕にうつぶせに乗せ、顔を支えて頭を低くし、背中の真ん中を平手で何度も連続して叩く。

同様に腹部突き上げ法は、片手で体を支え、手の平で後頭部をしっかり支えた上、心肺蘇生法の胸部圧迫と同じ方法で圧迫する。

いずれも意識がない場合は、心肺蘇生を実施する。

誤飲対処早見表とは?

また、こども家庭庁によると、飲んだものによっては、緊急性の高いものや吐かせてはいけないものがある。

応急手当や受信の必要性がわからない時は次の「誤飲対策早見表」を参考にする。

▽救急車を呼ぶ

(症状)

苦しそうな呼吸、窒息・顔色が青白い、けいれん、ぐったりして呼び掛けてもぼんやりしている

(飲んだもの)

灯油、ベンジン、除光液、農薬、殺虫剤、ネズミ駆除剤

▽急いで受診

(症状)

突然せき込み始めた、声がかすれている、ゼーゼー、ヒューヒューした呼吸、吐く、下痢、腹痛など

(飲んだもの)

ボタン電池、鋭利な異物(ヘアピン、針など)、磁石、洗剤(トイレ用スタンプ、液体洗剤)・吸水性樹脂・水で膨らむビーズ・芳香剤・消臭剤・防虫剤・漂白剤、たばこ(吐かせる)、薬(お薬手帳があれば持参)、コインやおもちゃなど

このほか、少量のインクやクレヨン、絵の具、粘土、化粧品(口紅・ファンデーション)、石けんなどは診療時間内に受診し、心配な場合は電話などで相談することを勧めている。