聴覚障がいのある人や声などが聞きづらい人がスマートフォンなどに入れて使用する、「YY文字起こし」などのアプリシリーズ「YYSystem」の開発者さん(@yysystem_dev)の投稿を、漫画家・うさささん(@usasa21)がマンガ化し話題になっています。
新幹線に乗っていると…?
ある日、開発者さんは、音を可視化するスマホアプリ「YY文字起こし」のテストのため、博多から東京まで新幹線での移動中に車内の音のデータをとっていました。
「YY文字起こし」は人間同士の会話だけではなく、周囲の“環境音”も文字にしてくれるのが大きな特徴のひとつ。隣の席には猫を連れている人が乗っており、鳴き声がするたびに文字起こし画面に『にゃ~』とリアルタイムで文字が現れ、思わず「ほっこり」してしまったそうです。
体験談が投稿されると、うさささんが即座に反応。
うさささん自身も聴覚障がいの当事者であるため、「耳がきこえない人のための音声認識アプリでこの鳴き声も知れるのいいね。私たちは絶対気付かないから、こんなのが出てくるの嬉しい。可愛い」とコメントし、その様子をマンガにしました。
このアプリの特徴の一つは、イメージしやすいように文字が動く仕様になっていること。実際に文字が動く動画も投稿されると、「『にゃー』が可愛い書体と動きだから、イメージがわきやすい」「犬は『ワンワン!!』って出てくるのかな」「このアイディアはすごすぎる…😲」と反響が寄せられました。
ハフポスト日本版は、うさささんに話を聞きました。
――普段、音声認識アプリを使っていらっしゃるのでしょうか?
私の場合は、館内放送や娘の授業参観日に使用しています。もしくは筆談できないなど、なんらかの理由がある方と意思疎通をするときにも使用しています。
――「YY文字起こし」の文字アクションを見たときの感想を教えてください。
開発者さんから動画をいただいて初めて見たのですが、あまりの可愛さにホッコリしました。世の中には多くの音声認識アプリがありますが、オノマトペの文字アクションが出るアプリはあまりないと思います。
――聴覚障がいのある方にとって、環境音が文字化されると、どのような点で役立つのでしょうか?
環境音を聴覚障害者はリアルタイムで知ることができません。私はマンガでその存在を知りました。
例えば、救急車・消防車・パトカーのサイレン音ですが、私の場合「なんか聞こえる…??」と周囲を見回してから救急車を発見し、そこでようやく”緊急事態”であることに気付くのです。
オノマトペとして文字化されることで、緊急時も、「にゃー」のようなほっこり癒しも、他の人と同じタイミングで”知る”ことができるので、街中にそういう設備が増えるといいなと思っています。
――投稿には大きな反響が寄せられています。
「音声認識アプリ」はただ文字を並べるだけのものがほとんどなので、「文字アクションは他に何が出てくるの?」と興味津々な方が多かったですね。ダウンロードし実践してみた方もいらっしゃったようで、嬉しく思いました。
「音声認識アプリ」自体の知名度が、まだそれほど高くないのかもしれません。このマンガをきっかけにもっと知られるようになり、聴覚障害者にとって過ごしやすい社会になることを願っています。