日本では、数字の「4」や「9」は「死」や「苦」を連想させるため縁起が悪いとされている。一方、欧米では「13」が不吉と信じられている。
特に「13日の金曜日」は恐れられており、「friggatriskaidekaphobia (13日の金曜日恐怖症)」と名前までついているほどだ。
日本でも、この日に起こった事件を発端に繰り広げられるホラー映画「13日の金曜日」シリーズは有名だ。
では、なぜそもそも「13日の金曜日」が不吉と言われるようになったのだろうか?
サウスカロライナ大学の社会学名誉特別教授バリー・マコウスキー氏によると、その理由は「13」という数字そのものにある可能性があるという。
1年は12カ月、12の星座があり、オリンポスには12の神、キリストには12人の使徒がいたことなどから、「12」が完全体と見なされ、「13」はそれを覆すように感じるという指摘だ。
一方、神話や宗教に由来する可能性もある。
この恐怖について広く研究しており、別名「プロフェッサー13」とも呼ばれているデラウェア大学のトーマス・ファーンスラー教授によると、最も一般的な説の1つは、聖書に基づくものだという。
キリストの最後の晩餐には13人おり、13番目に座ったのが、キリストを裏切ったとされるユダだったのだ。
キリストが十字架に磔にされたのが金曜日だったため、それ以来「13」と「金曜日」は結びついている。
聖書によれば、イブがアダムに禁断の果実を渡したのも金曜日であり、アダムとイブの息子、カインが弟アベルを殺したのも金曜日である。
キリスト教以外でも、北欧神話では、ロキ神が12の神が集う祝宴に招かれざる客(13番目)として訪れ、光の神バルドルの死を招き、世界を暗闇に陥れたとされる。
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また、BBCによると「何百年もの間、金曜日は1週間で最も不運な日とされてきた」そうで、「イギリスではかつて、死刑宣告を受けた人が絞首刑になる日が金曜日だったため、絞首刑の日として知られていた」という。
この広く知られる恐怖のため、欧米ではレストランで13人での予約を受け付けなかったり、13番テーブルがなかったり、ビルに13階が存在しなかったりするなど、社会にも影響をもたらしている。
ハフポストUK版の記事を、翻訳・編集・加筆しました。