お酒を飲まないことに罪悪感はいらない。「一杯だけ」という誘いを断る効果的な返答がこれだ

「なんで飲まないの?」という質問に、答える義務はない。でもどう返答するのが効果的なのか?
近年は若者を中心にお酒を飲まない人が増えている
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近年は若者を中心にお酒を飲まない人が増えている

日々寒さが増し、年末年始が近づいている。

この季節には、忘年会や家族の集まりが増え、お酒を飲む機会も多くなる。

最近はお酒を飲まない人も増えており、もしかしたらあなたもその1人かもしれないーー。

禁酒コーチのケイシー・マクガイア・デイヴィッドさんは以前、長年会社勤めをしていた。平日の夜は、オフィスのハッピーアワーや友人との「ガールズナイト」で埋まっていた。

ケイシーさんがお酒を控え始め、いつもの赤ワインを断ると「あれ?飲まないの?」「なんで飲んでないの?」とよく聞かれた。

「いつもワインを飲んでいたので、やめたことを知った友人たちは驚いたようです」

ケイシーさんは今や禁酒して8年になり、「ソバーキュリアス」な女性向けのポッドキャストを配信している。

「『運転して帰らなくちゃいけないから』とか、『明日朝早くにジムに行く予定があるから」と言い訳することもあるけど、友人は『1杯だけ』『ちょっとくらい楽しもうよ』とプレッシャーをかけてきました」

こうしたコメントは、ケイシーさんが禁酒に対して抱いていた不安を思い起こさせた。「私は飲んでる時だけ面白くて、それ以外の時はつまらない人なの?」「ワインを飲んでいなくても社交的でいられる?」「私が飲まないことで、パーティーを台無しにしたり他の人をがっかりさせてない?」などだ。

「もし禁酒を始めたばかりなら、できるだけ気づかれたくないと思うはずです。だから、飲まないことへの罪悪感や飲むことへのプレッシャーを感じさせられたり、なんで飲んでないかを聞かれたりするのは嫌なものです」

ケイシーさんは当初、健康のために禁酒をするという選択について、詳しく説明する必要があると感じていた。しかし時が経つにつれ、説明する義務はないと気づき、徐々に「なんで飲まないの?」という質問への回答が上達していった。

この「気まずい質問」への対処法を、ケイシーさんや禁酒した他の経験者たちが教えてくれた。この年末年始に活用できるよう、ここで紹介しよう。

すぐに使える「返答」を常備しておく

禁酒コーチで本も出しているエイミー・リズ・ハリソンさんは2011年から禁酒している。こうした質問を何度かいきなり聞かれた時、簡単に答えられる決まった「返答」を準備しておく必要があると気づいた。

「『いえ、大丈夫。実はアルコール・アレルギーだってことが分かったの』とか答えています。その後、『症状がひどくて、かなりワイルドになっちゃうの』ってジョークと一緒にね」

この返答はそれだけで会話が完結するため、ハリソンさんにとってとても効果的だった。

薬物使用と依存症の専門家であるマイケル・ウォルシュさんも、クライアントに対して同様のアドバイスをしているという。

「デトックス中だとかトレーニング中だとか、薬を飲んでるからお酒を飲めないとか言えば、大体の人は放っておいてくれます」

もちろん、「言い訳」を作り出す必要はない。最近のソバームーブメント(禁酒トレンド)などの影響により、「禁酒」に対する人々の反応は好意的になっており、正直に「お酒は飲まないんです」「炭酸水でいいです」と答えることに全く問題はないとウォルシュさんは言う。

健康やウェルネスのためだと言う

ケイシーさんは禁酒を始めたとき、より良い睡眠や不安の軽減、そしてエネルギーに満ちた生活をするために「100日禁酒チャレンジ」をやっていると周囲に話したという。

「禁酒期間を決めると、周りから『1杯だけ』とか『今夜だけ』と勧められなくなります』とケイシーさんは話す。

ケイシーさんのこの返答は、周りの人たちがそれぞれのフィットネスの話をするきっかけにもなった。ある人は10キロマラソンについて、他の人は毎週のヨガクラスについて話し始めたと言う。

「睡眠の問題について話す人や、健康のための食事改善について話す人もいました。どちらにせよ、会話のトピックはアルコールから健康全般についての話題にすぐ変わったんです」

話題を変える

ケイシーさんが示唆したように、目標は会話をお酒と関係ないものにシフトすることだ。そこで、お決まりの「返答」と共に、会話のきっかけをいくつか用意しておくと便利だ。

「『お酒は飲まない』と答えた後、『最近どこか楽しい旅行した?』とか、『何か面白い本読んだ?』などの質問をしましょう。そうすることで、そっと話題を変え、会話を誘導することができます」とハリソンさんは勧める。

誰にも説明する必要はない

禁酒コーチでポッドキャスト番組を持つデヴィッド・ハンプトンさんは、禁酒を始めたばかりの人や、ただ一時的に禁酒している人に「誰にも説明する義務はないことを忘れないでほしい」と言う。

「私たちのアルコールの文化で興味深いのは、アルコールは私たちが『使用しない』ことに言い訳が必要だと感じる唯一の薬物であるということです」とハンプトンさんは話す。

ジムや歯医者に行く理由を説明しなくていいのと同じように、飲酒しないことを人に謝罪したり説明したりする義務はないと説明する。

「セルフケアに罪悪感や羞恥心はいりません。(依存症の)回復期に言うように、『ノー』だけで十分なのです」

ヴィーガンのように振る舞う

お酒を断つという選択は、ベジタリアンやヴィーガンのライフスタイルを選ぶことと同じように考えることがときに助けになるとケイシーさんは話す。

「肉を食べない人に、友人が『ひと口だけ!』とプレッシャーを与えることを想像すれば、それがいくら馬鹿げていて無礼なことか理解できるでしょう」と説明する。

お酒を飲まないことを、単に健康とライフスタイルの選択として考えれば、ベジタリアンがステーキの代わりヴィーガン・サンドイッチをオーダーするのと同じように、ノンアルドリンクを注文しやすくなるという。

お酒を一緒に飲むだけが友情じゃない

飲酒という「社交」に参加しないことに罪悪感を感じる人は多いが、ただ手段が変わっただけだということを覚えておいてほしいとケイシーさんは話す。

「以前は、絆を深めるためにはお酒を飲む必要があると思っていましたが、今はお酒がなくても、これまでと同じかそれ以上に楽しみ、支え合い、繋がることができると気づきました」

「禁酒を『セルフケア』として捉え直すと、罪悪感が減ります。あなたは最高の自分になるための選択をしているんだから、誇りを持っていいのです」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。