「境内で鶏肉・卵を食すべからず」神社の習わしが「なぜ」と注目。理由を聞いた

栃木県の鷲宮神社に伝わる、とある習わしにSNSで注目が集まりました。

年の瀬も間近となり、神社にお参りに行く機会が増えるこの時期。神社によっては独自の決まりごとを設けているところもあり、注意が必要です。栃木県栃木市にある鷲宮(わしのみや)神社がXに投稿した習わしもそのひとつ。

同神社の公式X(@washinomiya_88)の「当社では『鶏肉と卵を食べてはならない』という習わしがございます。ご協力のほど、よろしくお願いいたします」という投稿が話題を呼びました。

「初めて知りました」といったコメントが相次いでいますが、なぜこのような習わしがあるのでしょうか。

投稿写真に写る立て看板には、「当神社はお酉様につき」と書かれています。酉の市に馴染みがある人には、ピンとくるかもしれません。

そう、鷲宮神社は天日鷲命(アメノヒワシノミコト)というニワトリの姿をした神様のお使いを祀っている神社なのです。

この習わしができた背景について、宮司の菱沼拓己さんはこのように話します。

「我々が神様の使いとして祀っている鶏の肉や卵をいただくのは申し訳ないという観点から、長い間この習わしが守り伝えられています。

起源は定かではありませんが、社伝によると、源頼家公が百日咳を患った際、二位尼君の北条政子が鶏肉と卵を絶って祈願したところ、たちまち回復したとされています。そのため、鎌倉時代からあったものと思われます」

この神社に代々仕える神職は、鶏肉や卵はもちろんのこと、鴨やうずらも食べることはないとのこと。菱沼さんも奉職した2年前から、一切口にしていないといいます。

この投稿は、毎年11月23日に執り行われる例大祭にちなんだもので、このお祭りに合わせて出される屋台にも焼き鳥や唐揚げを販売するお店はないそうです。

初詣の時期に屋台が出ることはないようですが、うっかり鶏肉や卵を使った食べ物を持ち込んで口にすることのないよう注意したいものです。

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