世界では、目に見えない障害のある人が多くいる。
外見からは分からない障害には、自閉症、精神障害、糖尿病、慢性疼痛や認知症など、身体的なものから精神的なものまで含まれる。
国際障害者デーにあたる12月3日、レゴは目に見えない障害のある人が着用できる「ひまわり支援ストラップ」を発案したイギリスの団体「Hidden Disabilities Sunflower Scheme」と協力し、同ストラップを着用したミニフィギュアを含むシリーズを発売することを発表した。
「ひまわり支援ストラップ」は、日本の「ヘルプマーク」同様、目に見えない障害などがある人が、適切なサポートや理解を受けられるよう作成されたマーク。
「ひまわり支援ストラップ」を付けたミニフィギュアが含まれるレゴ商品は、小さな子ども用のDuploシリーズ、6〜12歳を対象にしたFriendsシリーズ、そして大人向けのIconシリーズで展開される。
「Hidden Disabilities Sunflower」のポール・ホワイトCEOは新たなレゴシリーズについて、「世界の6人に1人が、なんらかの障害とともに生活しており、その80%が目に見えない障害です。同社はレゴ・グループと協力し、レゴファンや社員の皆さんの認知や受容を促し、変化が生まれることを楽しみにしています」と述べた。
ハフポストUK版は、全身性エリテマトーデスと拡張型心筋症を患うターシャさんと、目に見えないが命に関わる心臓の障害「QT延長症候群」を患う娘のジェイデンさんに話を聞いた。
ジェイデンさんは、「このおもちゃができたことで、みんな誇りを持ってストラップをつけることができると思います。私は母が着用し始めるまで付けていませんでしたが、『私には外見では分からない障害がある。隠す必要なんてない。理解を求めるのは悪いことじゃない!』って思ったんです」と話した。
母親のターシャさんもQT延長症候群を患っているが、「認知度が上がれば上がるほど、ストラップを付けている人は何か障害があるんだ、と人々が分かるようになるでしょう」と話す。
「このコラボレーションは、障壁を取り払う、大きなものだと思っています。学校の集会で子どもたちの認知を広げることに利用できるし、良い機会になると思います」
自閉症とADHD、トゥレット症候群があり、ひまわり支援ストラップのユーザーでアンバサダーを務めるマーティン・モクネスさんは、このコラボレーションについてこう語る。
「ひまわり支援ストラップをレゴで見られることは、隠れた障害のノーマライゼーションを実現するための重要なステップです。子どもの頃にこれがあったら、自分が認識され受容されていると感じさせてくれる、人生を変えるものになっていたでしょう」
「大人としても、世界的に有名なおもちゃでこうした商品が見られることは、深い意味があります。この取り組みはコミュニティ全体にとって画期的なことであり、年齢に関わらずあらゆる人々に力を与え、創造性を刺激し、繋がりを育み、インクルージョンを促進するものです」
同シリーズの商品は2025年1月から(Duploのみ6月から)全世界で販売される予定だ。
「ひまわり支援ストラップ」は、2016年にイギリスで始まり、今では空港施設を中心に世界に広がっている。日本でも、一部の空港で試験導入が実施されている。
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集・加筆しました。