現駐日アメリカ大使で、オバマ政権の首席補佐官だったラーム・エマニュエル氏が、2度目のトランプ政権はECサイト「eBay」のようになるだろうという考えをポッドキャスト「エズラ・クライン・ショー」で示した。
エマニュエル氏は12月3日に公開されたエピソードで、「ドナルド・トランプは大統領執務室をまるでeBayのように変えてしまうだろう。彼はそれをあらゆる特定利益団体に売り渡し、そのツケを支払うのは皆さんだ」と語った。
「そして民主党は、製薬業界が欲しいものをすべて手に入れるか、皆さんがすべての財産を支払うことになるかの間の監視部隊です」
エマニュエル氏は2008〜2010年までオバマ大統領の首席補佐官を務め、国民皆保険を目指す「医療保険制度改革法」や高リスクの金融取引を規制する「ドッド・フランク法」の成立に尽力した。大統領の首席補佐官の後は、シカゴ市長を2期務めた。
トランプ氏は大統領就任後に中国、メキシコ、カナダに追加関税を課すと公言している。トランプ氏はこの関税がアメリカの製造業を活性化すると主張している一方で、多くの経済学者は国内のインフレを悪化させると警告している。
政権と深い関わりを持ってきたエマニュエル氏は、このような2期目のトランプ政権はホワイトハウスを利益重視のビジネスのために利用するとみているようだ。
ポッドキャストで、政権の「eBay化」について「最も高い価格を払う者が欲しいものを手に入れ、皆さんは法外な代償を支払わされることになるだろう」とも述べた。
なぜ民主党は負けたのか
ポッドキャストでは、民主党が2024年の大統領選挙に負けた理由についても話題が及び、エマニュエル氏は「国民の70%が、アメリカ経済が不調で国が誤った方向に進んでいると感じていることが、ポピュリズム的なトランプ氏の主張を後押し、同氏を勝利に導いた」という見解を語った。
エマニュエル氏は司会者のクライン氏とのやり取りの中で、トランプ氏は「民主主義への脅威だ」とも述べている。
そのエマニュエル氏が、現在の政治情勢に影響を与えたと考えている2つの出来事が「イラク戦争」と「経済」だという。
イラク戦争について「数千人の命と1兆ドルを費やした末に失敗し、我々は嘘をつかれ、誰一人責任をとっていない」と述べた。
また、2000年代後半の金融危機や住宅バブルの崩壊、不況寸前の経済で多くの人が生活や家を失ったにもかかわらず、エリートや上層社会の人々は何もしてこなかったとも指摘した。
これに対し、司会者のクライン氏が、イラクで戦争や金融危機が起きたのはエマニュエル氏がオバマ政権の首席補佐官時代だったが誰も責任をとっていないのではないかと指摘すると、エマニュエル氏は否定せず「その通りだ」と答えた。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。