「今後、X(旧Twitter)にガーディアンの公式編集アカウントからの投稿はいたしません」
イギリス大手メディアのガーディアンは11月13日、イーロン・マスク氏が運営するソーシャルメディアXへの投稿をやめると発表した。
「Xを使うことによって受けられる恩恵を、負の要素が凌駕してしまいました。私たちの報道を広めるためのリソースはXではないところで使う方がよさそうです」と説明している。
ガーディアンのXアカウントは2009年11月に開設され、1082万人超のフォロワーがいた。
今回の決定についてガーディアンは「極右の陰謀論や人種差別など憂慮すべきコンテンツがX上で見受けられたり、助長されたりしていることを受け、しばらく検討してきたこと」とし、「Xは有害なメディアプラットフォームであり、オーナーであるイーロン・マスクがその影響力を使って政治的な言説を形作ってきました」としている。
11月5日に行われたアメリカ大統領選挙では、人種差別的な発言や女性蔑視を繰り返してきた共和党のドナルド・トランプ前大統領の返り咲きが決まった。
世界3大映画祭のひとつに数えられるベルリン国際映画祭(2025年2月13〜23日開催)のXアカウントは5日、「2024年12月31日をもってXと決別することを決めました」と発表した。同映画祭について今後はInstagram、Facebook、LinkedIn、YouTube、公式サイトで情報を確認するよう促している。
12日には、トランプ氏が新たに設立する「政府効率化省」のトップにマスク氏が起用することを発表している。
著名なジャーナリストたちのX離れにも拍車がかかっている。
CNNで長年にわたってキャスターを務めたドン・レモン氏はXについて「かつては真摯な議論や話し合いができ、透明性と言論の自由があると思っていました。しかし、もはやその目的を果たせないと感じます」という談話を出した。
レモン氏のほかにも、ニューヨーク・タイムズのマーラ・ゲイ氏やアトランティックのチャーリー・ウォーツェル氏もXへの投稿をやめることを決めている。
Xを離れた人たちが向かっているのがXに似た仕様のSNSであるBlueskyだ。