イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区の学校施設への攻撃が後を絶たない。
ユニセフ(国連児童基金)の発表によると、ガザ地区では10月の1カ月間で、学校に対する攻撃が少なくとも64件確認された。これらの攻撃でこれまでに128人の死亡が報告されており、その多くは子どもだったという。
「教室にいた子どもたちが爆撃の犠牲に」
ガザの学校施設に対する攻撃は、2023年10月からの1年間で226件に上る。多くの学校はガザ住民の避難場所となっており、ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセル氏は「ガザ地区で目にしている恐ろしい光景は、人類にとって暗黒の前例となっている」と警鐘を鳴らす。
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「安全を求めて教室にいた子どもたちが爆撃の犠牲になっており、その人数はこれまでにないほど多いのです。トラウマと喪失が、子どもたちにとって常態化している」(ラッセル氏)
ユニセフは、繰り返される爆撃、大規模な避難、支援の欠如により、ガザの子どもたちが危機的な状況に追い込まれていると報告。避難所となっている学校の一部では、ユニセフなどの支援団体が栄養不良の子どもたちの治療にあたっている。
国際人道法は、紛争当事者に対し、生徒や教師、学校への攻撃を慎むよう求めている。教育現場は保護されるべき場所であるにもかかわらず、この1年あまりで、ガザ地区のほとんどの学校が部分的または完全に破壊された。
ラッセル氏は「この暴力が続く限り、毎日たくさんの人々の暮らしが打ち砕かれ、多くの未来が失われていく」と指摘。「紛争当事者たちは、国際人道法を遵守し、学校や民間施設を保護しなければなりません。子どもたちは危害から守られると共に、紛争下にあっても、教育を受ける権利は擁護されなければなりません」と訴えている。