激戦州はどこ?開票の見通しは?ペンシルベニアやノースカロライナ、ジョージアなど7州、前回はどっちが制した?【アメリカ大統領選2024】

アメリカ大統領選(2024年)で、激戦が予想されているのは「7」州。それぞれの前回の結果、予想される開票タイミングについて紹介します。

アメリカ大統領選は「選挙人」という制度を採用しており、民主党支持か共和党支持かが分かれる数州、数百万人による投票が全体の結果を左右する。

アメリカの全50州とワシントンD.Cで計538人の選挙人のうち、270人を取った候補の勝利となる。

選挙人の数は、各州の人口比に応じて割り振られている。2つの州をのぞいて、得票数の最も多い候補が、その州を“総取り”する仕組みだ。

多くの州で支持される政党はほとんど変わらない。そこで重要となるのが、「スウィング・ステート」と呼ばれる激戦州だ。

激戦州について紹介する。

ジョージア州(前回バイデン氏)

スウィング・ステートと呼ばれる中で、最も早く投票が締め切られる。2020年の大統領選では、勝敗が決まったのが最も遅い州のうちの一つだった。

ジョージア州がバイデン氏の当選を確実にしたのは、選挙から2週間後の11月19日。わずか1万1779票差という大接戦だった。

大接戦や郵便投票がコロナ禍で約130万票にまで増えたことなどが影響し、当選確実までに時間を要した。

2024年の今回は、郵便投票は30万超の見込み。郵便投票は事前に作業され、選挙当日の朝7時から開票されている。そのため当選確実が出るのが早まる可能性がある。

一方で、2020年のように接戦だった場合は、郵便投票がどの程度選挙当日や事前に届いているかどうかに左右される。

ノースカロライナ州(前回トランプ氏)

ノースカロライナ州は前回、ジョージア州と同様に、当選確実が出るのに1週間以上かかった。最終的に、トランプ氏が約7万4000票差で制した。

当時は大量の郵便投票と、接戦だったことが遅れに影響した。

郵便投票数は2020年が97万7000だったのに対して、今回は41万3000の見込み。

ノースカロライナ州は過去、郵便投票と期日前投票について、選挙当日より前に開票作業が可能だった。ところが2023年に共和党主導で法律が変わり、11月5日午後7時半に投票を締め切った後でないと、開票作業ができなくなった。

そのため、ノースカロライナ州の選挙管理委員会は2月、「ノースカロライナ州で選挙結果を眺めている人たちは、投票締切直後に大量の開票結果が出ると期待しているが、今回そういうことは起きない」という声明を出している。

ペンシルベニア州(前回バイデン氏)

ペンシルベニア州は2020年、選挙当日から4日後にバイデン氏の当選が確実となり、バイデン氏が大統領選に勝利するのに必要な選挙人をもたらした。

時間がかかったのは、コロナ禍での郵便投票増加に加えて、選挙当日よりも前に開票作業ができるよう法律を変えるのを共和党が拒んだことだ。

2024年の郵便投票数は200万超の見込み。開票作業は投票が締め切った後に実施される。

ハリス氏かトランプ氏のどちらかが大差で勝利しない限り、選挙当日の当選確実は期待できない。

ミシガン州(前回バイデン氏)

ミシガン州では2020年、選挙の翌日にバイデン氏が当選を確実にした。一部地域で前日に開票作業ができたため、他の激戦州よりも全体の開票作業が早かった。

2024年は前回よりも開票作業が早まるとみられている。

その要因は、大規模な郡で選挙期日より最大8日前に郵便投票の集計作業ができるよう法改正などがあったことだ。ミシガン州ウェイン郡では、8月にあった別の選挙で、郵便投票の約8割の開票作業を、選挙当日の午後10時半までに終わらせることができた。

こうした変更は、トランプ氏や共和党が選挙不正だと訴えていた極端な「ブルー・シフト」(郵便投票開票後に民主党が優位になる・逆転する現象)を避けることにもつながる。

ウィスコンシン州(前回バイデン氏)

ウィスコンシン州はミシガン州のような仕組み上の変更はない。

2020年は選挙の翌日昼に、バイデン氏が当選を確実にした。

2024年は前回と比べて、郵便投票の数は減ると見られているが、作業プロセスは変わっていないため、僅差であった場合は当選確実は出るのが翌日(6日)になるとみられる。 

アリゾナ州(前回バイデン氏)

アリゾナ州は当選確実が出るのに時間がかかる見通しだ。

2020年は、選挙の翌日昼にバイデン氏が当選を確実にした。

アリゾナ州の投票者の多くは、選挙当日に不在者投票を手渡ししているため、選挙結果が出るのが長引く傾向がある。こうした“遅れた事前投票”は、州で最も人口の多いマリコパ郡の約2割を占める。

アリゾナ州では、投票締め切り後に全ての投票者が投票所を去るまで、開業作業ができない。

ネバダ州(前回バイデン氏)

ネバダ州は、激戦州の中で最後に投票が締め切られる。かなりの接戦が予想され、選挙当日から数日間で勝敗が決定する可能性は低い。

ネバダ州はコロナ禍以降、郵便投票を基本に投票所での投票も選択できる状況になっている。アリゾナ州のように、選挙当日や翌日以降に届いた票の開票に時間がかかる。

また、選挙当日までの消印がある郵便投票について、当日から4日以内に届いたものは開票の対象となる。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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