「この国の女性を守りたい。女性が好むと好まざるとにかかわらず」
米大統領選挙の共和党候補ドナルド・トランプ氏の発言に、波紋が広がっている。
トランプ氏は10月30日、ウィスコンシン州グリーンベイで開いた選挙集会で、女性について次のように語った。
「4週間前、私が『人々を守りたい。この国の女性を守りたい。女性を守りたいんだ』と言ったら、スタッフから『どうかその発言をしないでください』と言われたんです」
「『とても不適切な発言だと思います』と言うんです。ちなみに私は彼らに大金を払っているんですがね。信じられますか?まあ、私は女性が好むと好まざるとにかかわらず、やりますよ。女性たちを守ります。」
トランプ氏は女性を移民や外国から守るとも述べて、移民批判も展開した。
発言に女性から批判
「好むと好まざるとに関わらず女性を守る」という発言は、女性票を得るためだと思われる。
アメリカでは、トランプ氏が大統領だった時に3人の保守派最高裁判事を指名したことで、中絶の権利を保障していたロー対ウェイド判決が覆された。
民主党候補のカマラ・ハリス氏は、中絶の権利が奪ったのはトランプ氏だと選挙戦を通じて強く批判してきた。
トランプ氏は女性の有権者離れを防ごうと、以前にも「女性を守る」と発言してイメージ改善を図ろうとしている。
しかし、中絶規制に賛成しているほか、女性への差別的な発言などで知られるトランプ氏の一方的な発言は、好意的に受け止められていない。
ハリス氏は31日、「好むと好まざるとに関わらず女性を守る」という発言について、「体のことを含めて、自分の人生は自分で決めるという女性の権利を理解していない」と述べた。
ハリス陣営の広報担当は、「黙っておくべきことを公然と言っている」とコメントしている。
発言は、共和党の政治家からも批判されている。
元ニュージャージー州知事のクリスティン・トッド・ホイットマン氏は30日に出演したCNNの番組で、トランプ氏の発言について「腹立たしい」と述べた。
「まだ迷っている多くの女性にとって、この発言は非常に不快なものであり、票を左右することになるでしょう」
「彼の支持層はこういった発言を気に入ると思います。しかしまだどちらに投票するかを決めていない人たちが驚くほどたくさんいます」
「『女性が好むと好まざるとにかかわらず、面倒を見る』というのは拳を握りしめたくなるようなコメントです。私も拳を握りしめたい。彼の顔を叩きたいくらいです。彼は私のことなど気にかけていない。私の体のことも」
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しました。