アメリカ・フロリダ州で、巨大なビルマニシキヘビが大人の鹿を丸呑みしているところを、現地の自然環境保護団体に所属する研究者らが目撃した。これまで考えられていたよりもはるかに大きな動物をヘビが餌食にしていることがわかり、「生物学者としてこれ以上に強烈な体験を今までしたことがない」と驚きを隠せない様子だ。
決定的瞬間を目撃したのは同州ネイプルズを拠点とする「Conservancy of Southwest Florida」。同団体や地元紙マイアミ・ヘラルドによると、体長15フィート(約4.5メートル)のヘビが大きく口を開き、大人のメス鹿1頭を丸々呑み込んでいるところだった。
同団体が公式Facebookに投稿した動画には、ビルマニシキヘビが鹿に体を巻きつけ、目を疑うほど大口を開けて丸呑みしている様子が映っている。
ヘビは鹿の首に噛みつき、反撃できなくなるまで鹿の体を締め上げたとみられる。ヘビは鹿の頭から呑み込んでいた。
発見時にはすでに鹿は死んでいたという。研究者らはヘビが食事を終えるまで待ってから体重を測ったところ、115ポンド(約52キロ)だった。このうち、鹿の体重が77ポンド(約35キロ)だった。
研究者らがもともとその地にいなかったビルマニシキヘビが現地の生態系に与える影響を調べる中で、ヘビは最大26センチまで口を開くことができることがわかった。円周では32センチにもなる。22センチとされていたこれまでの報告を大きく上回った。
同団体はビルマニシキヘビの口は前方部分で結合しておらず、大きく開けることができる仕組みになっていると説明。皮膚も大きく伸びるのが特徴で、別の種のヘビに比べて6倍も大きな獲物を食べることができるのだという。
USGSは「ビルマニシキヘビはさまざまな哺乳類や鳥類を捕食し、南フロリダ全域の食物連鎖に直接的な影響を及ぼしている」とし、アライグマやオポッサム、ボブキャット、ウサギ、ハイイロギツネ、オジロジカなどの哺乳類の個体数の減少を引き起こしていることが研究で示されているとしている。