切り身や開きを焼くときは、皮が下?
実は、皮を上にするか、下にするかで焼き上がりに違いがあるそうです。
「鮭の切り身(特にハラス)やサンマの開きなど、皮がどちらか一方に付いている魚の場合は、皮が下になるように焼きはじめると良いでしょう。
というのも、焼いているうちに魚の持つ脂や旨味が流れ出てきますが、この身の旨味は皮を下にすることによって皮が受け止め、余計に流れ出るのを防ぐことができるからです。
一方、シシャモや生サンマなどを丸ごと焼く場合は、最初に右面を焼き、次に反対側の左面を焼きます。これは、日本料理では魚は頭が左側になるように盛り付けるからです。
左面を最後に焼くことで、きれいな焼き目がついた魚を盛り付けることができます。左面から先に焼いてしまうと、裏面を焼くときにひっくり返すことになるので、せっかくの焼き目の見栄えが悪くなります」(佐藤水産)
焼き網は十分熱してから
今はガスを使って魚焼き網、グリル、フライパンなどで焼く機会が多いです。それぞれの焼き方のコツを教えてください。
「焼き網やグリルで焼く場合ですが、いずれも事前に十分に網を熱することが大切です。こうすることで網に身や皮がくっつきにくくなります。網に魚をのせたら中火から弱火でじっくり焼き、こんがりキツネ色の焼き目が付いたら、身や皮を傷つけないようにやさしく裏返して裏面もじっくり焼きます。
フライパンで焼く場合は、温めたフライパンにクッキングシートを敷いた上にのせて中火で焼きます。こんがりキツネ色で裏返して焼くのは網と同様です。
いずれにしても、焼いている途中でむやみに触らないことも美味しく焼き上げるコツです」(佐藤水産)
鮭やサンマは解凍、シシャモは冷凍のまま
鮭やサンマ、シシャモなどは冷凍で販売されている場合があります。凍ったままの場合はどうすればよいでしょうか。
「冷凍ものの場合、鮭やサンマなどは冷蔵庫で自然解凍してから焼きます。シシャモは解凍せず、冷凍のまま焼くときれいに仕上がります。
冷凍は旬の美味しい時季のものを加工していますので、上手に調理して十分に素材の持つ旨味を引き出すようにしてください」(佐藤水産)旬の魚を上手に焼いて、新米のご飯と一緒に美味しい秋を満喫しましょう。
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出典・参考
取材協力/佐藤水産株式会社(https://www.sato-suisan.co.jp/)