米アバクロ前CEOを性的人身売買の罪で起訴。当局はすでに15人の被害者を確認

当局はすでに15人の被害者を確認しており、まだ何十人もいる可能性があると述べ、「他にも被害者がいる可能性があり、彼らに正義を与えたい」と語った。
アバークロンビー&フィッチのショッピングバック。半裸の男性の写真がよく使われていた=2007年、英ロンドン
アバークロンビー&フィッチのショッピングバック。半裸の男性の写真がよく使われていた=2007年、英ロンドン
Gareth Cattermole via Getty Images

アメリカのファッションブランド「Abercrombie & Fitch(アバークロンビー&フィッチ)」のマイク・ジェフリーズ前CEOが、国際的な性的人身売買を行っていたとして告発され、10月22日に身柄を拘束された。

同ブランドは、性的な広告キャンペーンで広く知られていた。

検察当局は記者会見で、ジェフリーズ被告(80歳)はマシュー・スミス被告(61歳)、ジェイムズ・ジェイコブソン被告(71歳)と共に、州を越えた性的人身売買を行ったとして逮捕・起訴されたと発表した。

「3人の被告は自身の性的欲求を満たすために、権力や偽り、強制力を用いて男性たちを売買した」と述べ、他にも被害者がいれば、名乗り出てFBIに連絡するよう呼びかけた。

当局はすでに15人の被害者を確認しており、まだ何十人もいる可能性があると述べ、「他にも被害者がいる可能性があり、彼らに正義を与えたい」と語った。

ジェフリーズ被告と彼のイギリス人パートナーであるスミス被告が、同ブランドでのモデルを志望する男性たちに対し、性的搾取・虐待していたというBBCの報道を受けての告発だった。

当局によると、2008年から2015年初めまで、同社のモデル志望の男性たちは私的な場所に連れて行かれ、秘密保持契約書にサインさせられたという。その後、衣服や所持品を取り上げられ、筋弛緩薬やアルコール、バイアグラを飲まされた。

「被害者の多くは、少なくとも1人は19歳と若く、経済的に弱い立場にあり、ファッション業界でモデルを目指していた」と当局は声明で述べた。

証拠には旅行記録や財務記録、被害者や目撃者の証言が含まれるという。

ハフポストUS版は、以前この疑惑でジェフリーズ被告の代理人を務めたブライアン・ビーバー弁護士にコメントを求めたが、迅速な返答は得られなかった。

9月にジェフリーズ被告とスミス被告に対して起こされた集団訴訟によると、ジェフリーズ被告の性犯罪は1992年から2014年まで行われており、当局の申し立てよりもかなり長い期間であった。

この集団訴訟は検察が今回提示した罪状の多くを反映しているが、「アバークロンビー&フィッチ」を被告として告訴しており、「会社は利益を上げ続けるために、ジェフリーズ被告の虐待が最も謙虚だった間、彼の不正行為に目をつぶっていた」と非難している。

ハフポストUS版は同社にコメントを求めたが、コメントを拒否するとメールでの返信を受けた。

ジェフリーズ被告は1992年に同社のCEOに就任し、2014年に引退。翌年の2015年、同社は半裸の男性モデルを大体的にアピールする「性的なマーケティング」から脱却する計画を発表した。

この事件の原告の代理弁護士は「この逮捕を歓迎する」とハフポストへの声明で述べた。

「今日の逮捕は、これらの人物によって被害を受けた男性モデルたちにとって、とても大きな意味を持ちます」

「正義を求める彼らの闘いはここで終わりません。私たちは、この恐ろしい行為を助長した責任をアバクロンビー&フィッチを追求し、二度と起こらないようにしたいと願っています」

性的人身売買の罪で有罪判決を受けた場合、3人とも最高刑は終身刑、最低でも懲役15年となる。州を越えた売春の罪で有罪になった場合、最高刑は懲役20年になる。

検察当局によると、3人とも今週末から来週中にはニューヨークで罪状認否が行われる予定だという。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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