退職代行サービス、約17%が利用。その理由は? 利用者が多い職種1位は◯◯

調査から、退職代行サービスに関する実態が明らかになりました。
転職活動時に退職代行サービスを利用した際の職種ランキング
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ハフポスト日本版

近年、「退職代行」という言葉をよく耳にするようになりました。

退職代行とは、業者が退職したい社員に代わって退職の意志を会社に伝えるサービスのこと。

マイナビは、正社員として働いている20〜50代のうち、2023年6月以降の直近1年間に転職した人800人と、2024年1~7月に中途採用業務を担当した人事担当者1600人を対象に「退職代行サービス」に関するアンケートを実施。その結果を10月3日に発表しました。

まず、直近1年間で転職した人に「退職代行サービスを利用したか」と質問すると、「利用した」と回答したのは、16.6%でした。

年代別では、20代が18.6%と最も高く、年代が低いほど割合が高いことがわかりました。

職種別では、「営業」が25.9%で最多で、続いて「クリエイター・エンジニア」が18.8%、「企画・経営・管理・事務」が17.0%、サービス職が13.3%となりました。

退職代行サービス、利用した理由は?

次に、退職代行サービスを「利用した」と回答した133人を対象に、退職代行サービスを利用した理由(複数回答可)を尋ねると、「退職を引き留められた(引き留められそうだ)から」が最も多く、40.7%となりました。

さらに「自分から退職を言い出せる環境でないから」が32.4%、「退職を伝えた後トラブルになりそうだから」が23.7%と続き、退職意向を自ら切り出すことが難しかったり、意向を伝えても転職することができなかったりする状況が読み取れます。

また、「今後、退職代行を利用したいかどうか」については、全体の20.1%の人が「はい」と答え、直近1年間で退職代行を利用した人の74.2%が「今後も利用したい」と答えました。

「退職代行を利用して退職した人がいた」のは、約4社に1社

続いて企業の人事担当者に、「上半期(2024年1月~6月)に退職代行サービスを利用して退職した人の有無」を尋ねると、23.2%の企業が「退職代行を利用して退職した人がいた」と回答しました。

年度別の退職代行利用者の実績では、2021年は16.3%、2022年は19.5%、2023年は19.9%であったことから、退職代行利用による退職者は、年々増加傾向にあることが明らかになりました。

業種別では、「金融・保険・コンサルティング」が31.4%で最も高く、ついでIT・通信・インターネットが29.8%、 メーカーが25.4%と続きました。

調査を担当したキャリアリサーチラボ研究員の宮本祥太さんは、調査から、退職代行が退職の手段の一つとして世間に広がりつあると指摘。その理由として、引き留めや退職意向の伝えづらさが起因している傾向があることが分かったと述べています。

その上で、働く人と企業の双方が納得できる退職・離職を進めるために、「企業はキャリアや退職に関して意思疎通がしやすい環境・風土をつくり、相互理解につながる機会をつくっていくことが重要である」としています。

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