被爆者の全国組織で、世界に向けて核兵器廃絶を訴えてきた「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)が、2024年のノーベル平和賞に選ばれた。
受賞に際し、関係者からは、パレスチナ自治区ガザ地区の被害に言及するコメントもあった。
日本被団協の代表委員で、広島県被団協の理事長の箕牧智之さんは、3歳の時に広島で被爆した。受賞を知らされた後の10月11日の記者会見で、イスラエルによる攻撃が続くガザ地区に触れ、「ガザでの紛争で傷ついた子どもたちと、原爆孤児の姿が重なる」と話した。
同日夜に出演した報道ステーション(テレビ朝日系)では、「世界のいろんな所で戦争が始まっている。ガザで傷つけられた子どもたちを一生懸命救っている人たちがノーベル平和賞の候補かなと思っておりました」と、心境を明かした。
共同通信によると、箕牧さんは「ガザで子どもが血をいっぱい出しているのは、80年前の日本と重なりますよ」とも述べたという。
受賞にあたって、ガザの子どもたちに言及した箕牧さんのコメントは、テヘランタイムズやロイター通信など複数の海外メディアでも報じられた。
日本被団協は1956年に結成。被爆体験の証言や署名活動などを通じ、世界に向けて核兵器廃絶や核実験禁止を訴え続けてきた。
ノルウェーのノーベル委員会は授賞理由で、「『ヒバクシャ』として知られる広島と長崎の原子力爆弾の生存者たちによる草の根運動は、核兵器のない世界の実現に尽力し、核兵器が二度と使われてはならないことを証言を通じて示してきた」などと評している。
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