アメリカ沿岸警備隊は10月10日、ハリケーン「ミルトン」の最中にメキシコ湾で船から転落した船長を救助したと発表した。
この船長は、クーラーボックスにしがみつきながら海を漂流して生き延びたという。
沿岸警備隊によると、この船長は10日午後にフロリダ州タンパ南西のロングボート・キー沖合約30マイル(約48キロ)で発見され、ヘリコプターで救助された。
沿岸警備隊セント・ピーターズバーグ管区の司令センター長、ダナ・グレイディ中佐は、助かった船長について「最も経験豊富な船員にとっても悪夢のような状況で、生き残った」と説明している。
「ハリケーンの厳しさをお伝えすると、我々は時速約75-90マイル(約120〜144キロ)の風と20-25フィート(約6〜7.6メートル)の波の中で、一晩以上の長時間を過ごしたと考えています」
沿岸警備隊によると、この船長は、キャプテン・デイブ号という船の修理をするために出航した。
キャプテン・デイブ号は10月7日に沖合約20マイルで航行不能となり、沿岸警備隊に救助を要請した。
2人の乗組員は沿岸警備隊のヘリコプターに救助され、病院に搬送されたものの、キャプテン・デイブ号はその場に残され、後から引き揚げを行うことになった。
それから2日後の10月9日に、キャプテン・デイブ号のオーナーから沿岸警備隊に、漂流した船を修理するために別の船で出航した船長が帰ってこないという連絡があったという。
沿岸警備隊が無線で船長と連絡を取ったところ、乗っていた船の舵が汚損して、港に戻れなくなったことがわかった。
この時、すでにミルトンがフロリダに上陸する数時間前で、波が高くなり、風速も強まっていた。
沿岸警備隊は、船長に救命胴衣を着用して、非常用位置指示無線標識(EPIRB)から離れないよう指示したが、午後6時45分ごろに船長との連絡が途絶えたという。
船長は一晩を海で過ごした後に10日に救助され、治療のためタンパ総合病院に搬送された。
グレディ氏は「船長はライフジャケットと非常用位置指示無線標識、クーラーボックスのおかげで生き延びた」とつづっている。
ミルトンはフロリダ州に甚大な被害をもたらし、10月11日の時点で少なくとも10人以上の死亡が確認されている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。