ニュージーランドで10月3日、3年近く行方がわからなくなっている父親と3人の子どもと思われる動画が撮影された。
父親のトム・フィリップス容疑者は2021年12月に、ジェイダさん(現在11歳)、マーベリックさん(同9歳)、エンバーさん(同8歳)の3人を森へ連れ去ったと考えられており、警察が捜索を続けている。
この父親と子どもたちと思われる4人を見つけたのが、ニュージーランド北部ワイカト地方のマラコパで、イノシシ狩りをしていた10代の若者のグループだ。
ニュージーランドのテレビ局1ニュースによると、若者らは森林地帯で4人に遭遇して携帯電話で撮影した。4人は迷彩服を着てそれぞれ大きなバックパックを背負い、父親はライフルを携えていたという。
子どもの一人と話したという若者の祖父は、孫が「君は誰?」「ここで何をしているの?」「ここにいることを誰か知っているの?」と尋ねると、「あなたしか知らない」と答え、そのまま歩き続けたとニュージーランドのテレビ局1ニュースに語っている。
ニュージーランド警察は、この4人がフィリップス容疑者と3人の子どもである可能性が高いとして、目撃現場の周辺で捜索を行うと発表した。
2021年12月に4人がいなくなって以来、子どもたち3人が揃って目撃されたのは今回が初めてだという。
子どもたちの母親キャットさんは、3人の生存が確認されたことへの安堵をニュージーランドヘラルドの取材に語り、元夫について「子どもたちを自分のゲームの駒として使っている」と非難した。
フィリップス容疑者は2021年に姿を消した後、裁判所に出廷しなかったために逮捕状が発行された。
警察は2024年6月、子どもたちの居場所と、安全な保護につながる情報に8万ドルの報奨金を支払うと発表した。
報奨金の支払い期限は2週間で、50近くの検討に値する情報が寄せられたものの、子どもたちの発見につながる有力な情報は得られなかったという。
今回4人と遭遇した若者は、3人の子どもたちが父親と行方不明になっていたことを思い出して、動画を撮影したという。
捜査関係者は、フィリップス容疑者が何者かの手助けを得ている可能性もあると考えている。
4人の失踪を調査している私立探偵のクリス・バッジ氏は、映像から、フィリップス容疑者らは非常によく準備しているように見えるとラジオ局RNZの番組で語っている。
「課題になるのは警察の対応です。これまでの警察の動きに対して様々な意見が出ていますが、しっかり取り組んでいると思います。現場に人員や空軍のヘリコプターを派遣しました。しかしトムは非常に賢く、地元からの助けを得ていることが捜査を困難にしています」