PR業界の中には、クライアントが引き起こした問題の「火消し」を仕事とする危機管理専門のプロがいる。
クライアントが公的なスキャンダルに巻き込まれたり、ソーシャルメディアで不適切な発言をしたりした場合に、クライアントの面目を保ち、広告や仕事の契約を維持する手助けをするのが彼らだ。
彼らの仕事柄、そもそも自身が失言するのは稀だろうが、万が一の際の対処には卓越しているだろう。
そこでハフポストUS版は、危機管理PRのプロが失言をした際、どう対応しているかを聞いた。
予想通り、素晴らしいアドバイスをくれたので、そのうち4つを紹介しよう。
1. すぐに責任をとる
グローバルPR会社Red Banyanの創設者兼CEOであるニアマン氏がミスを犯すことは滅多にない。しかし、もし失言などをした場合、状況を修復する最短方法は、すぐに過ちを認めることだという。明日でも来週でもなく、すぐにだ。
「やるべきことは、自分の誤りを認め、説明責任を果たし、誤った情報を訂正し、ポジティブな会話に戻すことです」とニアマン氏は話す。
「タイミングが全てです。問題に対処するのが早いほど、その分早く次に進み、その先の行動を変えられるからです」
2. 訂正したら、その話題を引きずらない
失言した時に重要なのは、それ以上事態を悪化させないことだ。
例えば、もし新しい同僚の「ケイティ」を他の同僚と混同して「シャロン」と呼んでしまったら、「ケイティだった!」と言い直せばいいだけだ。ただ、簡潔にすることが重要だ。「間違えたのは2人とも同じ髪型をしているから...」などと詳しく説明する必要はない。
PR会社のマネージングディレクターであるキング氏は「何か後悔するようなことを言った時は、それを深掘りしてはいけません。更に注目を集めることになるからです」と話す。
「話題を引きずることで、相手がその話題に乗ったり質問したりすることを促す事態になりかねません」
もし間違ったことを言ったのであれば訂正し、すぐ先に進むようキング氏はアドバイスする。
3. 相手に不快なことを言ったことを謝る際に覚えておくべき3つのこと
例えば、攻撃的だと受け取られるようなことを言ってしまったとしよう。この場合、質の高い謝罪をするには3つのことが大切だとPR会社を経営するレヴィー氏は言う。
まず、自分が言ったことがなぜ間違っていたのかを説明すること。次に、誰を傷つけ、その発言がいかに未熟だったかを認めること。そして最後は、「傷ついた人たちの立場に立ち、自分が反省していることを伝え、今後はもっと教養を身につけるよう努力することを伝えましょう」と述べた。
4. 後日対応する場合には、文字でなく会話で
すべての人が高いコミュニケーション能力や素早い行動力を持っている訳ではない。緊張のあまり、もしくは言葉に詰まったために失言し、その場で対応するタイミングを逃してしまうケースもあるだろう。その場合、後日になっても対応すべきなのだろうか?
コミュニケーションの専門家でPR会社CEOのロドリゲス氏は「あなたの発言が誰かを不快にさせた可能性があるなら、直接電話するといいでしょう」と話す。
しかし、誤解を招く可能性があるメールやメッセージは避けた方がいいという。(そこでまたミスを犯したら、今度は文字で残ってしまう)
「メールでは、文脈が無視され誤解されることがよくあります。昔ながらの電話が効果的です」
ニアマン氏も「謝罪に遅すぎることはありません。ダメージの修復は、痛みを伴わず一瞬で終わらせることができるのです」と話す。
「何が悪かったかに執着するよりも、自信を持って前進し、次のステップに進む準備ができていると示すことに集中しましょう」
それはダメージを軽減するだけでなく、責任感と立て直す能力を示すことにもなる。
「相手はあなたのミスを忘れないかもしれない。でも、あなたがそれにどう対応したかも必ず覚えているでしょう」
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。