アメリカ南東部に上陸したハリケーン・ヘリーンで大きな被害を被ったテネシー州で、家が流されて行方がわからなくなっていた犬が、高さ約6メートルの木の上で発見された。
この犬は10月2日、ワシントン郡のノリチャッキー川近くの木の上にいるところを保護された。
地元のキングスポート消防署によると、付近を捜索していた警察犬が木の上の犬に気付き、チームに知らせた。消防隊員らがはしごを使って木に登り、犬を救出したという。
キングスポート消防署の広報は「(ハリケーンで)水位が急速に上昇し、多くの人々が避難を余儀なくされました。犬が見つかったことは、混乱の中で明るいニュースになりました」と、ハフポストUS版の取材にコメントした。
犬は消防隊員に水と食べ物を与えられた後に地元のアニマルシェルターに保護され、3日朝に飼い主の家族と再会した。
この飼い主のいとこだというマケイラ・クロイドさんは、「犬は約5日間木の上にいました。けがはしていないようです」とハフポストUS版の取材に述べた。
クロイドさんのFacebook投稿によると、いとこの家は9月27日に流された。
いとこや家族は直前に避難して無事だったものの、流された家には2匹の犬と猫がおり、もう1匹の犬と猫の行方はまだわかっていない。
クロイドさんは避難時の状況について「彼らが家に戻った時には玄関まで水位が上がり、自宅周辺を取り囲んでいました」と説明している。
水位が急速に上昇する中、クロイドさんのいとこは祖父と隣家の屋根に避難したという。
「彼は祖父と救助隊が来るのを待ち、ペットたちの残る家が押し流されるのを見ながら屋根の上で3時間過ごしました」
「救助隊が到着した時には、水は車庫の屋根まで達し、屋根がきしみ始めていました。救助ボートに移動した数分後に車庫は崩壊しました。流された家はまだ見つかっておらず、現在彼らはホームレス状態です」
クロイドさんはネットがつながらないいとこに代わり、ペットを探す投稿やクラウドファンディングのページを作ったという。
ヘリーンによる被害でこれまでにノースカロライナやサウスカロライナ、ジョージア、テネシーなどの州で合計200人以上の死亡が確認されており、多くのペットの行方がわからなくなっている。
木の上で見つかった犬を保護したワシントン郡のアニマルシェルターは、ハリケーン後の6日間で77匹の動物を受け入れ、保護している動物の総数は500匹に達したと10月2日に投稿した。
アニマルシェルターは「テネシー東部のすべての人にとって、信じられないほどつらく心痛む1週間になりました。人々は耐え難いほど大きな喪失に直面しています」と述べている。
「私たちの動物管理官は、助けが必要な動物たちのために24時間働いています」
「素晴らしいボランティアの人たちが、必要なことすべてを手伝ってくれています。皆がそれぞれの役割を果たさなければ、ペットたちの世話はできません」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。