日の入り後は西の低空に金星、南東の空に土星が姿を現し、土星が南中する頃には木星が東の空に昇り、その後に火星も姿を現します。月と惑星が接近するタイミングもあるため注目です。
細い月と金星が接近
10月は日が沈んだ後の西の低空で、宵の明星「金星」が輝きます。マイナス4等もの明るさで輝くため、低空でも目を引きそうです。
金星は2025年1月10日に東方最大離角を迎えます。これから段々と見える高度が上がってくるため、存在感を放ってくる宵の明星をお楽しみください。
10月6日(日)には、月が金星に接近します。幻想的な細い月と金星の共演は見ものです。
▼6日(日)の沈む時刻(東京)
金星 18:45 月 18:47 太陽 17:18
10月りゅう座流星群が極大
10月りゅう座流星群が、10月8日(火)22時頃に活動の極大を迎えます。このため、8日(火)の夜から深夜が一番の見頃となります。
10月りゅう座流星群の活動は約13年ごとに活発化する傾向があり、今年はその年に当たるため例年より注目です。
見頃の8日(火)は月が20時頃に沈むため(東京)、月明かりの心配はほとんどなく流星観測を楽しむことができます。例年の活動は小規模で、流れる個数はピーク時で1時間あたり5個程度ですが、今年はどうなるか注目です。
月と土星が接近
9月8日(日)に「衝(しょう)」を迎えた「土星」は、10月も観測しやすい状況が続きます。周囲に明るい星が少ないため、明るさが0等台の土星は目を引きそうです。
10月14日(月)には、月が土星と接近します。東京で21時頃には南の空高くに昇って観測しやすいため、晴れていたら両者の姿を探して空を見上げてみてください。
なお、地球から見た土星の環の傾きは、約15年の周期で変化します。2025年に見かけ上で環が見えなくなる環の消失現象を控え、今年は環が非常に細く見えます。
▼15日火)に沈む時刻(東京)
土星 2:47 月 2:41
10月の満月はスーパームーン
10月の月は、17日(木)20時26分頃に満月の瞬間を迎えます。この満月は、2024年の中で地球から最も近い位置で迎える満月です。今年の満月の中では、最も大きく見えることになります。
1年に12~13回見える満月のうちで、最も大きく見える満月のことを『スーパームーン』と呼ぶことがあります。
国立天文台によると、今年最小の満月(2月24日)と比較すると、見かけの直径は約14%大きく見えるとのことです。別の日の月と並べて比較することができないため、この日の満月だけ見ても変化は分かりづらいかもしれませんが、晴れたら空を見上げてお月さまの大きさを確認してみてください。
10月の満月、英語で“Hunter’s Moon”
農事暦における満月の呼び方
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。農事暦(The Old Farmer’s Almanac)によると、アメリカでは10月の満月を「ハンターズムーン(Hunter’s Moon/狩猟月)」と呼ぶようです。
10月は狩猟を始める頃にちなんで、この名前がつけられたと言われています。同じまるい月でも、季節感が感じられますね。
オリオン座流星群が極大
オリオン座流星群が、10月21日(月)15時頃に活動の極大を迎えます。このため、10月21日(月)深夜から22日(火)明け方が一番の見頃です。
ピークの出現がなだらかな流星群のため、極大日の前後数日間は流星観測のチャンスがあります。ただ、月明かりの影響があるため、見える個数は限られそうです。国立天文台によると、見える個数は1時間に5個程度とのこと。
放射点(※)が昇ってくる22時頃から流星が出現しはじめます。晴れる日を狙って、流星観測をお楽しみください。
※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点。
月と木星・火星が接近
10月は真夜中になる頃には「木星」と「火星」が東の空に昇ってきます。木星を囲うようにして、冬の星座の1等星を結んで描く「冬のダイヤモンド」も見られるため、大変賑やかな様子を楽しむことができます。
10月20日(金)から23日(月)にかけては、月が近くを通過していきます。21日(土)には月と木星が接近し、23日(月)には月と火星が接近するため注目です。
▼昇る時刻(東京)
21日(土) 木星 19:49 火星 22:15 月 19:39
23日(月) 木星 19:41 火星 22:11 月 21:43
出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers’ Almanac
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