米共和党の「子なし」議員候補、選挙動画に「友人の家族」を利用。自身は未婚

アンダーソン氏の「家族思いの父親」風動画は、「子なしでペットを飼っている人は子どもがいる親より国の将来に関心がない」という、共和党の最近の主張が自身に向けられるのを回避するための試みだったのかもしれない。
動画のワンシーン。家族のように見えるが...
動画のワンシーン。家族のように見えるが...
デリック・アンダーソン氏のYouTube動画から

米バージニア州議員に立候補している共和党のデリック・アンダーソン氏の選挙動画が話題になっている。

自身のYouTubeチャンネルで公開している1本の動画には、女性と3人の子どもと食卓を囲むなど、「パーフェクトな家族写真」のようなシーンが含まれている。

しかし実は、その女性と3人の子どもたちは、アンダーソン氏の家族ではないのだ。

元陸軍特殊部隊「グリーンベレー」のアンダーソン氏はバージニア州第7区の議員に立候補している。

New York Timesは9月27日に「共和党候補者らはイメージを和らげるため、妻に支援を求めている」と題した記事を公開。

記事では、性と生殖に関する権利が有権者の間で焦点となっている今、共和党は家族を大切にする政党だと印象付けようとしていると指摘。

アンダーソン氏は女性とその3人の娘たちと一緒に映った「家族写真」と誤解を招くような動画をYouTubeなどに掲載しているが、彼らは自身の家族ではなく、長年の友人の家族だと同紙は言及した。この動画は広告には使用されていないという。

アンダーソン氏は9月、婚約者はいるが同居はしておらず、今は犬と暮らしており子どもはいないと述べたという。

アンダーソン氏の広報担当者は同紙に対し、これらのシーンは「女性支持者とその子どもたち」と一緒にポーズをとっているだけだと説明。

「デリックの対立候補者や他の全ての候補者たちも、多種多様な支持者と同様の写真や動画に映っています」と話したという。

広報担当者はハフポストUS版の取材に対し、この動画は「通常の選挙運動ビデオ」だと述べた。

「デリックは幸せな婚約者であり自分の家族をとても誇りに思い、そう公言しています。彼は、女性支持者とその子どもたちと一緒に、ただ普通の選挙活動ビデオに出演しているだけ。そのことに対する政治的動機に基づく誤った報道は、面白いと同時に悲しいです」とEメールで述べた。

アンダーソン氏は2022年にロー対ウェイド裁判が覆されたことを祝い、Twitterに「米最高裁はついに正しい判決を下し、妊娠中絶を国の支配下に置くという50年もの判決を覆した」と投稿していた。

アンダーソン氏の「家族思いの父親」風動画は、「子なしでペットを飼っている人は子どもがいる親より国の将来に関心がない」という、共和党の最近の主張が自身に向けられるのを回避するための試みだったのかもしれない。

共和党の副大統領候補であるヴァンス氏は2021年に「子なしの左翼」を非難し、カマラ・ハリス副大統領を「惨め」な「子なしの猫好き女性」だと述べた。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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