トランプ氏に性暴力を受けたと訴える女性を政治団体がテレビCMに起用。「大統領に選んではいけない」と語る

アメリカ大統領選挙で女性票の行方に注目が集まる中、反トランプ氏の政治団体が、性暴力の被害を訴える女性をテレビCMに起用しました
ペンシルベニア州を訪れたドナルド・トランプ氏(2024年9月23日)
ペンシルベニア州を訪れたドナルド・トランプ氏(2024年9月23日)
Win McNamee via Getty Images

アメリカの政治活動団体「アンチサイコパスPAC」が9月25日、共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏に性的暴行を受けたと訴える女性2人が出演するテレビCMを公開した。

アンチサイコパスPACを立ち上げたのは、保守派の弁護士ジョージ・コンウェイ氏だ。コンウェイ氏の元妻ケリーアン・コンウェイ氏はかつてトランプ氏の顧問を務めていたが、ジョージ・コンウェイ氏は、トランプ氏を「民主主義の脅威だ」と厳しく批判している。

トランプ氏はこれまで「自分は女性の性器をつかんでも許される」など性暴力を容認する発言をして物議を醸してきた。これまでにトランプ氏の性暴力の被害に遭ったと訴えた女性の数は、数十人に上る。

広告に出演した女性の一人ナターシャ・ストイノフ氏は、取材のために2005年にトランプ氏のフロリダの邸宅マール・ア・ラゴを訪れた際に、トランプ氏に壁に押し付けられ、無理やりキスされたと告発した。

ストイノフ氏は、トランプ氏が突然キスをしてきたのは当時妊娠中だった妻のメラニア・トランプ氏が部屋を離れている間で、執事が部屋に駆け込んで止めたと2016年にピープルに掲載した記事で述べている。

ストイノフ氏はアンチサイコパスPACの広告で「私は悪いのは自分ではない、彼が女性を狙う犯罪者だったのだと気づきました。ドナルド・トランプは性的暴行で法の裁きを受けています。彼を大統領に選んではいけない」と語っている。

もう一人の出演者ジェシカ・リーズ氏は、1979年に飛行機でトランプ氏の隣の席に座った際に胸をつかまれ、スカートに手を入れられたと2016年にニューヨークタイムズに語った。

リーズ氏は「彼は何人もの人々を食い物にしてきました。それを包み隠さずに話し、実際にその通りの行動をとってきました。これからも続けるでしょう」と広告で述べている。

(左から)トランプ氏から性暴力を受けたと訴えてきたナターシャ・ストイノフ氏とジェシカ・リーズ氏
(左から)トランプ氏から性暴力を受けたと訴えてきたナターシャ・ストイノフ氏とジェシカ・リーズ氏
Getty

トランプ氏は、女性からの告発をすべて否定している。しかし2023年には、作家のE.ジーン・キャロル氏を90年代にデパートの試着室でレイプしたとして、民事裁判で損害賠償金の支払いを命じられた

アメリカ大統領選挙では、女性票の行方に注目が集まっている。トランプ氏は2024年9月23日に激戦州のペンシルベニアで開かれた選挙集会で、「ずっと女性は私のことを好きだと思ってきた」「私はみなさんを守る存在だ」などと述べて、女性有権者にアピールした。

一方、アンチサイコパスPACは「広告では、女性たちがトランプ氏が何度も性暴力を繰り返してきたことを語り、再び当選してホワイトハウスに復帰すべきではないと伝える」とプレスリリースで述べている。

アンチサイコパスPACはストイノフ氏とリーズ氏が出演する広告を11月の投開票日までペンシルベニア州で放送する予定だという。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。

注目記事