登山中に火山の噴火に遭遇したら?御嶽山の噴火災害から10年。知っておきたい、火山に近づく際の心構え

火山の噴火を正確に予想することは極めて難しいため、噴火に伴う現象を理解し、登山の際は準備を万全にすることが大切です。
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長野・岐阜県境の御嶽山では、今から10年前の2014年9月27日(土)昼前に噴火が発生し、山頂付近にいた登山客らが巻き込まれ、死者・行方不明者63名、負傷者69名をだす火山災害になりました。

噴火警戒レベル1の状態で起こった災害でした。

火山に人が近づくことのリスク

火山の噴火は前兆現象を伴うこともありますが、それが本当に噴火の予兆なのか、いつ噴火するのかなどは正確に予測することは極めて難しいことです

火山の噴火や地震の発生には時期の偏りはあるものの、小規模なものほど頻度が高く、大規模なものほど頻度が低い傾向があります。大規模な噴火が起こると、火山の周辺だけでなく広範囲に影響が及ぶこともありますが、そのような火山史に残る噴火はそう高頻度で起こるものではありません。

普段から気を付けるべきは規模の大きくない噴火です。居住地域に影響を及ぼす可能性は小さいものの、火口周辺などに人がいれば容易に人命を奪うことになります。有史以降の火山災害はほとんどがこのケースです。こうした噴火は予兆もほとんどないか小さいことが多く、まさにいつ発生するかわからないといえます。

2014年の御嶽山の噴火でも、噴火の発生前から地震の増加等の観測があったものの、噴火の前兆として警戒が呼びかけられることはなく災害の発生に至りました。

気象庁はこの御嶽山噴火や、同様に火口周辺で死者の出た2018年の草津白根山の噴火以降、なるべく些細な情報でも“火山の状況に関する解説情報”で発表するようになったようです。登山などで火山に近づく際にはリスクを確認し、特に近年の活動が認められる山ではヘルメットを持参するなどの対策が必須といえます。

火山は様々な現象を引き起こす

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火山の噴火というと溶岩をイメージする人が多いかもしれませんが、危険な現象は多岐にわたります。

1.噴石
噴石は噴火によって火口からふき飛ばされた岩石などの噴出物のことです。大きなものは数メートル大にもなり頑丈な建物をも破壊し、比較的小さなものでは10km以上飛ばされることもあります。御嶽山の噴火でも、噴石による犠牲者がほとんどでした。

2.火砕流
火砕流は高温の火山灰や岩石、火山ガス、空気、水蒸気が一体となって山を流れ下りるものです。その速さは時速数十キロメートルから数百キロメートルで、その流れの先にいた場合、避けることは不可能です。雲仙普賢岳の噴火では火砕流による犠牲者が増えました。

3.火山ガス
噴火の発生の有無にかかわらず、火山周辺では有毒な火山ガスが出ていることがあり、火山活動による犠牲者を集計すると火山ガスによる窒息も多くを占めます。

これらのほかに、火山灰、空振、土石流、溶岩の流出、火山活動に伴う地震などで、人的・経済的被害が生じることがあります。

登山中の噴火に遭遇したら

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リスクを承知の上で、規制されていない火山へ訪れる際には、通常の登山用品に加えてヘルメット等を持参し、噴火に遭遇したときの行動を確認の上で行動してください。

◆登山をする際は、事前に登山計画書(入山届)を提出し、避難小屋等の場所を確認して下さい。

◆登山中に噴火した場合は逃げることができれば風上側へ。周辺の避難小屋か、岩陰に逃げて下さい。

◆周辺に何もない場合は、出来るだけ身を低くし、頭を抱え、火山灰に巻き込まれる状態となったら衣類などで鼻や口を覆い、火山灰を吸い込まないようにして下さい。

◆視界がよくなったら、近くの避難小屋など安全な場所へ避難して下さい。谷地形は火山ガスが溜まりやすいため、谷に留まることは避けます。

噴火警報が出ていなくても油断せず、近年の火山活動を事前に調べたり、ハザードマップ等を確認してから火山に近づくようにしてください。
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