公益社団法人「全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)」は、20〜65歳の全国の男女5003人を対象に調査を実施し、その結果を「2024年 住宅居住白書」として公開しました。(調査期間:2024年8月16〜21日)
この調査では、不動産の「買い時」や「持ち家派・賃貸派」についての意識が明らかになりました。
不動産の買い時に関する意識と理由
「今が不動産の買い時だと思うか」という問いには、全体の19.2%の人が「買い時だと思う」と回答し、前年に比べて3.4ポイント増加しました。
また、「買い時だと思わない」と回答した人と「わからない」と回答した人は前年に比べ減少しました。
「買い時」と考える理由には、「今後、住宅ローン金利が上がることが予想される」、「住宅ローン減税など住宅取得の為の支援施策が充実している」、「不動産価値(価格)が安定している」などが挙がりました。
一方で、「買い時ではない」と考える理由には、「不動産価値(価格)が下落しそう」、「自分の収入が不安定または減少しているから」、「地震や水害など天災が心配」などが挙がりました。
こうした理由から、不動産の「買い時」に対する判断は、経済状況や個々のライフスタイル、そして将来の不確実性に大きく左右されていることがわかります。
持ち家派 vs 賃貸派の割合
また、「持ち家派」か「賃貸派」かという質問に対し、「持ち家派」と回答した人は63.3%、「賃貸派」と回答した人は36.7%と、持ち家派が過半数以上を占めていました。
持ち家派の理由としては、「家賃を払い続けることが無駄」、「落ち着きたい」、「老後の住まいが心配」などが挙がりました。一方で賃貸派からは、「住宅ローンに縛られたくない」「税金や維持管理にコストがかかる」「天災が起こった時に家を所有していることがリスクになる」などの理由が挙がりました。
不動産を資産と捉えるか、リスクと捉えるかによって不動産に対する見方が大きく変わっていることがわかります。
住宅購入時に重視するポイント
住宅購入を検討する際に最も重視するポイントは「購入金額」で、全体の51.3%でした。特に、昨今の物価上昇や住宅ローン金利の変動が影響し、予算内での購入が多くの消費者にとって最優先事項となっています。
次いで、「周辺・生活環境」(48.2%)や「交通の利便性」(37.2%)が重要視されており、日々の生活の質や利便性に対する関心が高いことが明らかになりました。
さらに、自然災害リスクや地震、住宅の構造に関する安全面も一定の関心を集めています。購入者は、快適な生活空間だけでなく、安全で安心して暮らせる家を求めていることがわかります。