夏の便秘が一番つらい?エアコンによる冷えが原因かも。「夏便秘」に効果的な対策3選がこれだ

主に冷えが原因と考えられる夏便秘。実は多くの人が悩んでいるようですが、効果的な対策方法はあるのでしょうか?
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9月に入っても熱中症や夏バテに用心したい日が続きます。

しかし、夏に注意したい体調不良はそれだけではありません。全国の20代~50代の男女オフィスワーカーに行ったアンケート調査からは、多くの人が夏便秘に悩む実態が浮かびあがってきました。

イシハラクリニック副院長 石原新菜先生は、「夏ならではの環境が便秘を招いている」と説明します。不快な症状を秋まで持ち越さないために、原因と対策を教えていただきましょう。

夏に無視できない悩みが便秘

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食品素材メーカー・池田糖化工業が行った「夏の冷え・便秘に関する調査」(2024年6月)によると、「夏に便秘になりやすいと感じますか?」という質問に、なりやすいと感じた人は55%、さらに「他の季節に比べ夏の便秘が辛いと感じたことはありますか?」という質問には88%もの人が辛いと感じていました。

デリケートな問題だけに、普段はあまり話題にはなりませんが、多くの人が夏に便秘に悩んでいるようです。

「便秘というと冬に悩む人の多いイメージがあるようですが、夏便秘に悩まされている人も多いことが示されました。実は、夏のオフィスは便秘につながりやすい環境となります」(池田糖化工業株式会社)

その原因の一つが冷房による冷えです。実際に、「夏の職場の気温が低いことにより、身体の冷えを感じたことがありますか?」というアンケートでは、全体の78%が夏の職場で体の冷えを感じたことがあることもわかりました。

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「暑さが厳しい夏にはエアコンの使用は欠かせません。しかし、冷房の効いた室内に長時間いると、内蔵が冷え交感神経が優位の状態になりやすいのです。その結果、腸の血流や働きが鈍くなり便秘につながってしまうのです」(石原先生)

「一方で、『夏に職場の冷房の設定温度が低く、不満を抱くことがありますか?』という質問には70%に不満があり、『夏の冷え対策を行っていますか』という質問には、約4割の人が『まったくしてない』と答えています」(池田糖化工業株式会社)

不快な症状があるのに、十分な対策を行えていないのは問題かもしれません。

夏便秘対策の3つのポイント

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夏便秘を解消するためには、体の冷えを改善することが大切だといいます。

「ただし、『では、エアコンを控えよう』と考えてしまうと、今夏のような厳しい暑さのなかでは熱中症などの危険があります。エアコンは適切に使用してください。

職場など、自分に合った温度調節が難しいところでは、ストールを巻いて首を冷やさないようにしたり、羽織り物やひざかけなど使ったりして調整しましょう」(石原先生)

(1)しょうがで「採るサウナ」ショウガオールを摂る
しょうがを加熱して料理に使うほか、紅茶やココアなどいつもの飲み物に加熱しょうが(※)を加えて飲むのもおすすめです。

「しょうがは古くから漢方薬としても使われてきた食材ですが、ジンゲロールという辛味成分が含まれています。

ジンゲロールは加熱・乾燥することでよりパワーのあるショウガオールという成分に変わります。ショウガオールには体を温め、腸の働きを活発にし、さらに免疫効果も期待できるといったまさにサウナのような効果があり、夏冷えや夏便秘の解消に役立ちます」(石原先生)

※加熱しょうが/すりおろしかスライスのしょうがに浸るくらいの水を加え、ラップをかけて電子レンジで3〜4分加熱する。料理などにも使える

(2)湯船で体を温める
夏でもシャワーだけでなく、湯船に入ります。

「少なくとも1日に1度は体の芯から温まることです。より温め効果を得たいなら、41〜42℃の湯に肩まで3分浸かって、3分休み、また3分浸かることを繰り返す『3・3・3入浴法』もいいでしょう。

全部で9分浸かるだけなのに、しっかり温まります。休んでいる間は体や頭を洗っていてOKです」(石原先生)

(3)“ちょい筋トレ”で体を動かす
筋肉を動かすことで、血流をよくして体を温めます。
 
「激しい筋トレを行う必要はありません。すきま時間に、筋トレやウォーキングなどの有酸素運動をすることで筋肉を動かします。特にスクワットなど下半身の動きは、大きな筋肉を動かし効果的です」(石原先生)
 
石原先生は、夏便秘は早いうちに解消することが大切だと強調します。
 
「便秘は、単に不快なだけのトラブルではありません。その根本には体の冷えがあり、症状として現れているものです。夏冷えをなるべく早く改善して、気温も下がってくる秋冬に備えていくことが、健康を守ることになります」(石原先生)

体からのサインは無視せず、生活のなかで小さなところから取り組んでみましょう。

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