開催中のパリパラリンピックで、一人の陸上選手がフェアプレーの精神を体現してみせたと話題になっている。
8月31日に行われた陸上・男子100m(脳性まひT38)の決勝で、アメリカ代表のジェーディン・ブラックウェル選手が、隣のレーンの選手を手助けする姿を、カメラが捉えていた。
パラリンピックの公式TikTokアカウントに投稿された動画では、競技が始まる前、中国代表の周鵬選手が太もものベルトを巻くのに苦戦していると、それをブラックウェル選手が手伝う様子が写っている。
無事にベルトが固定され、周選手が感謝を示すようにブラックウェル選手の背中に腕をまわすと、ブラックウェル選手は「これでもう大丈夫」と言うようなジェスチャーで、周選手の胸を軽く叩き返した。
この心温まるやりとりのあと、ブラックウェル選手は金メダルを獲得。さらに、10秒64というタイムで世界記録も更新する偉業も果たした。
パラリンピックのアカウントは、「他の選手を助け、世界記録を更新。パラリンピック精神を体現するジェーディン・ブラックウェル」とその行動と金メダル獲得を称えた。
ブラックウェル選手はその後の400メートルT38決勝でも、48秒49で世界新記録を樹立、金メダルを獲得した。
6歳の時に脳性まひを診断されたというブラックウェル選手。デトロイトの陸上クラブでキャリアを始め、パデュー大学ノースウェスト校に進学した。
Independentによると、子どもの頃はNFLのスターになることを夢見ていた。しかし、ブラックウェル選手の母は、ある性格によってアメリカンフットボールには向いていないのではないかと思っていた。
「彼は誰よりも速かったんですが、とにかくとても親切で礼儀正しかったんです」
※この記事はハフポストUS版を翻訳・編集しています。