人手不足などを背景に、近年の新卒採用では、学生優位の「売り手市場」が続いています。
複数の企業から内定を取得し、何を決め手に就職先を選ぶか悩んでいる学生も多くいるのではないでしょうか。
企業のクチコミをリサーチするOpenWorkは、新卒入社した若手社員がおすすめする企業を調査。クチコミサイトOpenWorkに投稿された、2020年以降に新卒入社した社員・元社員による会社評価レポート4万8201件を集計し、算出しています。
トップ30社のうち、上位10社は以下の通り。(数字はOpenWorkが算出したおすすめ度)
10位:電通 7.85
9位:丸紅 7.86
8位:伊藤忠商事 7.95
7位:ディー・エヌ・エー(DeNA) 8.08
6位:アマゾン ウェブ サービス ジャパン 8.09
5位:ソニー 8.16
4位:三井物産 8.43
3位:住友商事 8.44
2位:中外製薬 8.45
1位:電通総研 8.50
「意見を言いやすいフラットな環境」 を重視
若手社員が「おすすめできる」と評価した30社の企業の共通点としては、「風通しの良さ」「社員の相互尊重」「待遇面の満足度」のスコアが平均的に高いといいます。OpenWorkは、各社の社員クチコミからは「入社年次に関わらず意見を言いやすいフラットな環境を評価する声が多く見られた」と分析。実際に、上位にあがった企業で働く人からは、以下のようなコメントが寄せられました。
「風通しが良く、社外のイベントが多い印象。手を上げればやりたいことを積極的にやらせてくれる印象。自発的に行動する人、コミュニケーション能力が高い人が多いと感じる。(技術、女性、電通総研)」
「組織体制については、以前は部署間でのコミュニケーションに一定のハードルが存在していたものの、最近は様々なツールを用いて、壁を取り払う取り組みがなされている。(営業、男性、中外製薬)」
「意外と若手の意見も尊重され、皆様が想像される縦社会ではない点が特徴。人格者が多く、働くうえでのストレスが極めて少ない。(営業、男性、住友商事)」
待遇面のミスマッチのために必要なことは?
また、待遇面の満足度も高評価で、給与だけではなく、家賃補助や資格取得の補助といった手当の充実など、福利厚生も重視されている実態がうかがえたそう。
ワークライフバランスも企業選びの軸として持っている人も多く、就職みらい研究所の調査では、9割以上の学生が「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」ことを支持する結果となりました。
実際に、上位企業の中で働く人たちからは以下のコメントが寄せられています。
「ほとんどの人がワークライフバランスを保っている。フレックス制度やリモートワーク制度を採用しているため、個人の予定や事情に合わせて働き方を選ぶことができる。また、育休や産休、有休消化率はとても高く、育休や有給に関しては取らないと逆に上司から取るように勧められるくらいマネジメント層の理解もある。(管理、男性、ソニー)」
「朝型勤務を積極推進しており、20時以降の残業は原則禁止。勤務時間内の効率性は求められるものの、ワークライフバランスは商社の中では非常に良いと思います。(職能、男性、伊藤忠商事)」
こうした結果から、 OpenWorkは「企業を選ぶ際に、残業の程度や有休の取りやすさ、働き方の制度がどのように運用されているかといった実態を『実際に働く先輩の声』から把握することはミスマッチを回避するためにも非常に有効」との見解を示しています。