9月に値上がりしそうな野菜は?台風や気候変動が影響。値上がり時期や割合なども専門家が解説

台風や平均気温の上昇など、気象状況は野菜の価格に影響します。9月から値上がりしそうな野菜を、スーパーマーケットの店主が解説しています。
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厳しい暑さに各地でゲリラ雷雨や豪雨が発生し、天気が不安定でした。天気は野菜の生育にも大きく影響しますが、供給や価格はどうなるのでしょうか。

「味覚の秋を前に今のところいい状態のものも多いのですが、台風10号の影響が心配でした」と、スーパーマーケット「アキダイ」(本社・東京都練馬区)の秋葉弘道社長は説明します。

8月下旬に各地で被害を出したノロノロ台風10号(サンサン)による影響が出てきている状況ですが、9月の野菜について教えていただきましょう。

9月にお買い得になる野菜は?

秋葉社長が、今のところいいものとして挙げたのが、レンコン、カボチャ、サツマイモです。

「レンコンは安いです。レンコンは去年もよかったのですが、それは主産地の茨城で台風の被害がほとんどなかったからです。今回も大丈夫そうです。

カボチャも今のところ主産地の北海道でよく出ていて、安定して安いです。サツマイモも今はいいですね。クリも9月になったら出てきますが、いいでしょう」(秋葉社長)

ほかの野菜はどうでしょうか。

「ナスはずっと安定していますね。ただナスは高温や干ばつには強いのですが、風と雨には弱いです。今回の台風の雨の影響で9月第1週はあまりよくなく、第2週から価格が安定してくるでしょう。

キュウリは、今は露地ものが高いですが、9月はハウス栽培のものが出回り徐々に安くなるはずです。

ジャガイモ、タマネギは安定して安いです。このままならば、徐々に下がっていくはずです。

タマネギは値上がりしていたために、まだ高めで売られていることもあるようですが、相場としては下がっています。7月〜8月前半に比べれば3割安ぐらいになるでしょう」(秋葉社長)
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9月に値上がりしそうな野菜は?

値段が上がりそうな野菜はどうでしょうか。

「確実に高いのがトマトとダイコンです。

トマトは、8月前半まではよかったのですが、1ヵ月前と比べて倍の値段になります。夏の暑さによる高温障害で花落ちしてしまったのです。去年ほどの高値にはならないでしょうが、値動きとしては似てくるでしょう。9月は基本的に高値になります。

ダイコンが高い主な理由は2つ。主産地の北海道が暑くなった影響で大きいものが育っていないこと、物流の2024年問題で輸送に時間がかかり、運賃も高くなっていることです。

そして、サンマによる需要もあります。昔から『サンマが安いときはダイコンが高い』と言われてきました。最近はサンマも高いのでそこまで影響は強くありませんが、サンマにはダイコンおろしが必要なので、ダイコン値上がりの一因となります」(秋葉社長)

また、台風10号の影響により各地で記録的な大雨となり、被害をもたらしました。

「埼玉や茨城の平野部などで小松菜が水没してしまい、今後値上がりします。葉物類全般が値上がりしそうです。レタス類も雨が多かった影響で値上がりしそうです」(秋葉社長)

秋の果物はどうでしょうか。

「ナシ、ブドウ、モモ、総じて甘くなっています。これから露地ものが出回ってきます。猛暑=日照不足でない、ということで、糖度が高くなっています。

台風の影響は西の方の産地であるかもしれませんが、基本的には大丈夫そうです。クリもそうですが、今年の果物はしっかり甘くておすすめですね」(秋葉社長)

毎年夏から秋にかけては台風が訪れ、野菜の生育や流通にも影響を及ぼすことがあります。今後も台風や秋雨前線の動きなど注目しつつ、よいものをおいしく食べていきたいものです。

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