パリで購入したという、一風変わったデザインのお菓子缶の写真がXに投稿され、話題を呼んでいます。
投稿したのは、愛知県にある明治創業の缶メーカー・側島製罐の代表を務める石川貴也(@LWITBR1906)さん。「側面が開くタイプの缶、製造難易度高すぎる。こんなんどうやって量産するんですか…」というコメントとともに、フランスはパリのギャラリーラファイエットで購入したという「ラ・サブレジエンヌ プチサブレ」のお菓子缶の写真を投稿しました。
こちらのお菓子缶、なんと胴体部分が開閉できる仕様となっています。
この投稿は3.2万回以上「いいね!」され、大きな反響を呼びました。
石川さんによると、缶は基本的に専用量産装置で製造するため、複雑な仕掛けにはあまり適していないのだとか。今回の缶は、胴体部分に穴をあけて、その切れ端部分が鋭利にならないよう丸めてあったり、扉部分が蝶番になっていたりと「かなり手間暇がかかっている印象を持った」と話します。
手作業だとは思うものの、一方で相当なスピードで個数を作らないと缶パッケージの金額としては見合わなくなってしまうため、いろいろ想像をめぐらして「すごいなぁと思った」といいます。
投稿には「気合と根性の手作業…なんすかね?」「カルディのラジカセ缶を気軽に買ってましたが、考えるとブリキのおもちゃを作ったりするような手間ですものね」「何考えたらこの素材で側面開く缶を量産するって考えられるんだ」「好奇心をくすぐられますね🤔」という反応が寄せられました。
石川さんは、そうした反響に対して、以下のようにコメントしています。
「缶は機能的には密閉性や頑丈さに優れていて、遮光や遮湿ができるので焼き菓子や海苔、あられなどのパッケージとして重宝していただいてます。
他方で、もうひとつの魅力としてはその意匠性にあり、鉄の素材を生かした光沢のある質感や、金属印刷という特殊な技術を使った高級感のある発色の良い印刷で、美術性を表現するのに長けています。
今回の製品は胴体部分に穴が開いてるので、密閉性にはあまり長けてないのですが、その分、意匠性に全振りしている贅沢なパッケージだと思っていて、そのあたりが人の目を引いて今回ご注目いただけたのではないかと思っています」