米コメディアン、豪空港でレイシャルプロファイリングを受けたと訴える「安全だと感じられない」

コメディアンで俳優のエリック・アンドレさんは、「私は一級市民として扱われるために髪を切ったり、スリーピーススーツを着たりしたいとは思いません。入国することで、『自分は受け入れられていない』と感じさせられるべきではない」と話している。
エリック・アンドレさん(2023年11月)
エリック・アンドレさん(2023年11月)
Leon Bennett via Getty Images

アメリカのコメディアンで俳優のエリック・アンドレさんが、オーストラリアのメルボルン空港で人種差別に遭ったと訴えている。

アンドレさんは8月18日、インスタグラムに動画を投稿した。動画では、あるプロジェクトの撮影のため、ニューヨークからオーストラリアのブリスベンに移動する途中のメルボルン空港で呼び止められたと報告。「特別な列」に並ばされ、「犬に徹底的に匂いを嗅がれた」などと明かした。

「これ以上、屈辱を受けたくない」

警察官や出入国管理に関わる職員などの法執行官が、「人種」や肌の色、世系や国・民族的出身を基に、個人を捜査活動の対象としたり、犯罪に関わったかどうかを判断したりする慣行は「レイシャル・プロファイリング」と呼ばれる。

アンドレさんは、今回のケースが「空港で何度も受けたレイシャル・プロファイリングのうちの一回だ」と述べた上で、「なのでこれは、メルボルンを旅行する全ての黒人、肌が褐色の人、先住民族へのメッセージです。どうか気をつけてください。彼らはそうした人たちを捜索しています」と発言した。

さらにフォロワーに向け、メルボルン空港の探知犬や、人種差別の事案に詳しいオーストラリアの弁護士に関する情報提供を求めた。

今後、オーストラリアでの仕事の話を持ちかける人らに対し、アンドレさん一人がメルボルン空港を通過することのないよう、警備の付き添いを手配することなどを依頼した。

今回の経験から、アンドレさんは「メルボルン空港は安全だと感じられない。空港でこれ以上屈辱を受けたり、人種差別を受けたりしたくない」と訴えた。

「私は、一級市民として扱われるために髪を切ったり、スリーピーススーツを着たりしたいとは思いません。入国することで、『自分は受け入れられていない』と感じさせられるべきではない。メルボルン空港でこのような無意味な手続きをする人たちは、恥を知るべきです」

メルボルン空港の広報担当者は、ハフポストUS版の取材に対し、同空港は 「いかなる形の人種差別も容認しません。私たちはメルボルンを訪れる全ての旅客を歓迎し、全ての人が平等に扱われることを期待しています」とコメントした。

同空港の広報担当者は、国際線の到着手続きを担当するオーストラリアの政府機関に対し、今回の件について調査するよう依頼したとコメントした。「これらの機関は現在、アンドレ氏に回答をした」という。

NBCニュースによると、オーストラリアの農漁林業省の広報担当者は、同国に到着する全ての乗客は「新鮮な果物や野菜、植物や食品、または靴や娯楽用具に付着した土などのバイオセキュリティ・スクリーニングのプロセスの対象」だと説明した。

加えて、旅行者たちはこれらのスクリーニングの一部または全てを経験すると述べ、高度に訓練された犬によるスクリーニングもその一つだとしている。

アンドレさんは2021年にも、アメリカの空港で法執行官からレイシャル・プロファイリングの被害を受けたと訴えている。

アンドレさんと、コメディアン仲間のクレイトン・イングリッシュさんは2022年、ジョージア州のハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港で、それぞれ警察官から人種差別的なプロファイリングを受けたとして、クレイトン郡警察を相手に訴訟を起こした。

原告2人の訴えは裁判で棄却されたが、弁護団は2024年1月に控訴している。

(この記事は、ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆・編集しています)

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