イタリアで豪華ヨットが沈没。1人死亡、英起業家ら6人が行方不明（シチリア島沖）

イタリアのシチリア島沖で8月19日（現地時間）、豪華ヨットが沈没し、1人が死亡、6人が行方不明となっている。行方不明者には、英ソフトウェア企業「Autonomy」の元CEOであるイギリスの有名起業家マイク・リンチ氏が含まれているという。

ロイター通信やBBCなどによると、沈没したのは10人の乗組員を含む計22人が乗船していた56メートルのヨット「ベイジアン号」。

Financial Timesなどによると、6人の行方不明者の中に、リンチ氏と18歳の娘ハンナさんが含まれている。また、リンチ氏の妻であるアンジェラ・バカレスさんを含めた15人が救助された。

ヨットは、イタリアのシチリア島沖で激しい嵐に巻き込まれたとみられ、シチリア島市民保護局は、「竜巻に襲われた」とメディアに語っている。

同局は「彼らは悪いタイミングで悪い場所にいた」とAP通信に述べた。同じエリアにいた他のヨットはそれほど大きな被害を受けなかったという。

【画像】沈没した「ベイジアン号」とみられる写真

英Telegraph紙によると、子どもとともにヨットから脱出した母親と面会した小児科救急医療センターの責任者は、「ヨットは乗客が寝ている間に転覆した」とメディアに語った。

小児科病院の医師は、「母親は『水中にいたのは2、3秒で、何とか赤ん坊を助け、手を上げ、他の乗客と共にライフボートに乗ることができた』と語っている。その後、沿岸警備隊に救助されたんだと思う」と述べた。

SNSに投稿された動画には、ヘリコプターや潜水チームを含む、海上での捜索救助活動の様子が写っている。

マイク・リンチ氏は、元CEOを務めたソフトウェア企業Autonomyを、2011年に米ヒューレット・パッカード（HP）に110億ドル（約1兆6000億円）で売却した。その後、売却前にAutonomy社の収益を不正に水増しし、HP社を詐取したとの疑惑が明らかになった。詐欺罪で起訴されたが、2024年6月に無罪判決を受けたばかりだった。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。