6歳死亡で母親と交際相手を訴追。検察「工具で壁に貼り付けおもしろがっていた」外傷は全身に及び、BB弾で撃たれた痕も(アメリカ)

アメリカ・ミシガン州で、6歳児を虐待して死なせたとして母親と交際相手が殺人罪に問われています。BB弾によるけがを含め、外傷の範囲は全身にわたっいたとのことです。

アメリカ・ミシガン州で、6歳児を虐待して死なせたとして母親と交際相手が殺人罪に問われている。BB弾によるけがを含め、外傷の範囲は全身にわたっていたという。

オークランド郡検察が8月9日に記者会見を開き、事件について説明した。

被害者は6歳のジオバーニ・ジェニングズさん。周りからは「チュロ」という愛称で呼ばれていた。チュロさんは母親やその交際相手らと一緒に暮らし、長期にわたって監禁され、虐待を受けていたとされる。7月31日、搬送先の病院で亡くなった。死因は腹部を強く殴られたことによる腸管穿孔(せんこう)とされている。検察は児童虐待だけでなく、殺人にもあたると主張している。

検察の発表によると、26歳の母親が30日午後2時半過ぎ、「6歳の子どもが気を失い、意識がない」と緊急通報し、事件が明るみになった。チュロさんは地元の病院に救急搬送された後に大規模病院に移されたが、31日午前0時ごろに息を引き取った。

検察と地元警察は、母親と32歳の交際相手から携帯電話や写真などを押収。計100時間をかけて、チュロさんへの虐待がうかがえる動画や写真、ショートメッセージ、Facebookのチャットなどを調べた。

マクドナルド検事は会見で「我々が見つけた証拠品は痛ましいとしか表現しようのないものばかりでした」と述べた。

さらに、解剖によってチュロさんの体にはいたるところにあざや裂傷があることがわかったという。マクドナルド検事は深刻さを伝えるため、外傷が確認できた場所について 「頭皮、こめかみ、唇、口腔内、頬、ひたい、あご、肩、腕、指、背中、臀部、内もも、膝、すね」と具体的に語った。両すねにはBB弾を撃たれたことによる外傷も認められた。

警察の事情聴取に母親は当初、「朝、仕事に行く時に子どもを実の父親に預けた」「預ける前に、けがはしていなかった」と供述をしていた。これを受け、警察はいったんチュロさんの実父を拘束したが、アリバイがあることがわかったという。

調べによると、母親は30日午前、チュロさんを交際相手と家に残し、仕事に出かけた。帰宅後にチュロさんの意識がないことに気付いたとみられる。

母親は調べに対し、チュロさんは亡くなる3日ほど前に交際相手に腹部を数回殴られ、嘔吐したと説明している。押収した証拠品から、交際相手が26日にガンタッカーを使ってチュロさんを洋服ごと壁に貼り付けていたことがわかっているという。交際相手はチュロさんの母親に「チュロを壁に向かせたままにしておく方法がわかった」というメッセージとともに、壁に貼り付けたチュロさんの写真を送っていた。2人は笑っておもしろがっていたという。

チュロさんは、母親とその交際相手の寝室に設けられた囲いの中で監禁されていた。黒いカーテンが閉められ、外を見ることは許されず、タテ28センチ×ヨコ90センチほどの木の板の上で寝るよう言われていたとされる。交際相手は見守りカメラで、チュロさんを監視していたとみられている。

 この事件については、CBSニュースPeople誌など大手メディアも相次いで報じている。

8月21日に検察側と弁護側による公判前の会議が開かれる予定になっている

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