いつどこで起きるかわからない地震。場合によっては地震の発生から数分で津波が来ることもある。
もし海水浴をしている時に地震が発生したら、私たちはどのように行動すれば良いのか。政府広報オンラインが7月8日、Xアカウント(@gov_online)を更新し、「海水浴時に気を付けるポイント」を発信した。
海水浴中に地震が発生したら
気象庁によると、海底下で大きな地震が発生すると、断層運動によって海底が隆起したり、沈降したりする。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波だ。
「津波の前には必ず潮が引く」という言い伝えがあるが、必ずしもそうではない。津波が発生した場所と海岸の位置関係によっては、最初から大きな波が海岸に押し寄せる場合がある。
そのため、もし海水浴中に揺れを感じたり、大津波警報や津波警報が発表されたりした場合は、すぐに避難を始めることが重要となってくる。
政府広報オンラインによると、津波が伝わるスピードは水深が深いほど速く、水深が5000メートルの沖合では時速800キロと「ジェット機並み」の速さになる。
水深が浅い陸地に近づくにつれてスピードは遅くなるが、それでも時速36キロと短距離選手並みの速さだという。
つまり、津波が来るのを見てから逃げ始めると避難が間に合わないということだ。
では、どのように避難すればいいのか。
ポイントは、「より遠く」ではなく、「より高く」で、直ちに海から上がって海岸から離れ、高い安全な場所を目指して避難してほしい。
そして、津波は繰り返し何度も襲って来ることがあるため、警報や注意報が解除されるまでは決して油断せず、安全な場所に避難し続ける必要がある。
また、海水浴場では2020年6月から、津波が発生したことを知らせる「津波フラッグ」の運用が始まっている。
遊泳中に揺れに気づかなかった人や、聴覚障害がある人などに向け、視覚的に津波の発生を伝えることができる。
津波フラッグは、長方形を四分割した「赤と白の格子模様」のデザイン。これを見かけたら速やかに避難を開始することが大切だ。
また、津波の危険がある場所には、「津波注意」のほか、津波避難場所や津波避難ビルを示す津波標識が設置されている。
万が一に備え、海の近くにいる時は最寄りの津波避難場所や津波避難ビル、高台などへの経路を確認しておくことも命を守るために重要だ。
(この記事は7月8日に配信した記事を再編集しています)