パリオリンピック2024年大会は、セーヌ川を使った開会式に始まり、ヴェルサイユ宮殿での馬術と近代五種、グラン・パレでのフェンシングなど、「街全体が会場」「スポーツと文化の融合」といったテーマにも大きな注目が集まっている。
その集大成ともいえるような、最終日に行われるマラソン競技。実はマラソンコースに重要な意味が込められているのをご存知だろうか。
選手はどのようなルートを辿りゴールを目指すのか。パリ五輪2024マラソンコースを見ていこう。
パリの歴史的建造物を巡る
パリオリンピックのマラソンコースは、パリやその周辺を代表する多くの建造物を巡る42.195kmとなっており、パリ市庁舎をスタートし、ナポレオンが眠るアンヴァリッドがゴールとなっている。
選手たちは、オペラ座、ヴァンドーム広場、チュイルリー庭園、ルーブル美術館、コンコルド広場、グラン・パレ、トロカデロ広場、ヴェルサイユ宮殿、エッフェル塔などの歴史的な建造物を通過してゴールを目指す。世界中の観光客もパリ観光では欠かせない名所がずらりと並ぶ。
また、Olympics.com によると、コースは1789年10月5日、6日に起こった「ヴェルサイユ行進」から着想を得て決められた。
「ヴェルサイユ行進」では庶民の女性たちが中心となり、食糧難に苦しむ市民たちがヴェルサイユ宮殿に行進した。国王と議会をパリ市民の監視下に置くことに成功し、フランス革命を大きく前進させたと言われている。
マラソン競技史上初、最後に女子決勝を実施
また、今回のマラソン競技は10日に男子決勝、11日に女子決勝を実施する。男女のレース順変更は、1984年のロサンゼルス大会で女子マラソンが導入されて以来初めての試みである。
パリ2024大会組織委員会のエスタンゲ会長は、「男女平等を達成するため、初めてレースの順番を逆にして女子のレースを目立たせたいと考えました。8月11日の女子マラソンは、陸上競技を締めくくる注目度の高いレースとなることでしょう」と語っている。
また、8月10日には一般市民4万人以上が参加できる「すべての人のためのパリ2024マラソン(Paris 2024 Marathon Pour Tous)」が開催される。オリンピックと同じコースで開催される市民マラソンで、こちらにも注目が集まっている。