衣料品チェーン「しまむら」(さいたま市)のベビー・子ども用品専門店「バースデイ」が、7月29日に販売開始した商品にSNS上で疑問の声が集まっている。
ベビー・子ども用のTシャツや靴下、ヘアバンドといった商品に、「パパはいつも寝てる」「パパは全然面倒みてくれない」などの文字がプリントされているためだ。
実際、女性に家事や育児が偏っているケースはいまだに多くみられるが、育児を中心としたライフスタイルに移行する男性も近年増え始めた。
このような背景から、「子育てに日々奮闘している父親として強く抗議する」という声も上がっている。
「ママがいい」「パパはいつも寝てる」
バースデイは7月28日、公式Xアカウント「バースデイ@しまむらグループ」(@birthday_gr)に、「(現代美術作家の)加賀美健さんの新作アイテムのご紹介です」と投稿。
子どもの「言い間違えシリーズ」など、新しいデザインが盛り沢山だとした上で、7月29日から全国のバースデイ店舗やオンラインストアで販売すると発表した。
問題となっているのは、「ママがいい」や「パパはいつも寝てる」とプリントされた長袖Tシャツや、「パパは全然面倒見てくれない」という文字があしらわれた靴下などだ。
また、オンラインストアには、「パパはいつも帰り遅い」と書かれたヘアアクセサリーも売られていた。
近年、家事や育児、キャリアなどにおいて、男女間の偏りをなくす意識の醸成が少しずつ社会に浸透し始めている。
しかし、これらの商品は「子育ては母親」「父親は仕事」といったステレオタイプを助長しているとも言えそうだ。
実際、SNS上では、「今はパパもママも育児をしている」「昭和の感覚」「男女差別では」「世の中のパパってみんな寝てるの?」などの声が多く上がっていた。
しまむらの企画室は当初、ハフポスト日本版の取材に対し、「様々なご意見があることは承知しております」とした上で、「該当商品について、育児に携わる男性や性差別を意識した企画ではございません。お子様との日常の風景やコミュニケーションを意図した企画です」と回答。
継続して販売するかどうかについては「現在、社内で対応を検討中です」と答えていたが、午後8時にバースデイの公式Xアカウントで「販売中止のお詫び」を発表した。
お詫びでは、一部商品について「ご不快な思いをさせてしまう表現がありましたこと、深くお詫び申し上げます」と謝罪し、「皆様から頂いたご意見を検討した結果、商品の販売を中止させて頂くことと致しました」などと理由を説明していた。
【UPDATE①】(7月30日午後6時53分)
しまむらの企画室からの回答を受け、記事を更新しました。
【UPDATE②】(7月30日午後9時18分)
商品の販売中止が発表されたため、記事を更新しました。