「現在の年収に満足しているのは50代でも3割未満」「人事評価が給料に反映されている割合は約半数に留まる」ーー。
リクルートマネジメントソリューションズ(東京都)がこんな調査結果を公表している。
また、仕事とは関係のない共通の話題や趣味で一緒に盛り上がれる上司・同僚がいる人は、ワーク・エンゲージメントスコアが明確に高いこともわかった。
人事評価の反映は給料?仕事の機会?
同社が6月20日に公開したのは「働く人の本音調査2024」。
同調査は3月19〜29日、従業員規模50人以上の職場で働く正社員(25〜59歳)を対象にインターネット上で実施し、8376人が回答した。
その結果、「今の年収に満足している」と回答した層は27.2%にとどまった一方、満足していないと回答した層は45.2%に上ったという。
年収が比較的高いとみられる50代(回答者2441人)であっても、今の年収に満足している人は29.2%と3割に満たなかった。
調査は、人事評価で給料と仕事の機会のどちらを重視する人が多いのかについても調べた。
仕事の機械とは、望んでいた仕事を任せてもらえたり、希望する部署に異動させてもらえたりしたということを指すが、「あなたは『給料』と『仕事の機会』のどちらに人事評価をより反映してほしいか」と尋ねた結果、「給料」と回答した層は75.0%に上った。
つまり、4人に3人の割合の人が「人事評価は機会よりも給料に反映してほしい」と希望しているということだ。
では、実態はどうなのか。
「あなたの会社で人事評価がより反映されているのは、『給料』と『仕事の機会』のどちらか」と聞いたところ、「給料に反映されている」と回答した層は約半分の51.3%だった。
また、調査は「人間関係とワーク・エンゲージメントの関係性」を調べるため、人間関係に関する項目を肯定した層と否定した層のワーク・エンゲージメントスコアの平均値の違いを示した。
それを見ると、仕事とは関係のない共通の話題や趣味で一緒に盛り上がれる上司・同僚がいる人のほか、キャリアについて何でも相談できる上司・同僚がいる人は、そうでない人と比べてワーク・エンゲージメントスコアが明確に高いことが読み取れたという。
この調査結果を受け、 同社組織行動研究所研究員の大庭りり子さんは「『仕事の報酬は仕事』という言葉もあるが、それは衛生要因(職場環境や給与など仕事の不満足に関わる要因)がある程度満たされていてこそ感じられることなのかもしれない」と指摘。
その上で、「コミュニケーションを歓迎する雰囲気の醸成など、組織からの後押しも肝要。より仕事に対して前向きな個人が増えることは、言うまでもなく組織にとっては有益なこと」とコメントしていた。