パリ五輪は7月28日、柔道女子52キロ級が行われ、連覇を目指した阿部詩(うた)選手が2回戦で敗れる展開となった。
阿部選手は試合後、悔しさから大粒の涙を流し、コーチに支えられながら会場を後にしたが、その様子を見た観客から励ましの「うたコール」が起こるなど、心温まる空気にも包まれた。
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そんな阿部選手に向け、パリ五輪の公式X(@Paris2024)も同日、メッセージを発信。「私たちはあなたのことを思っています 阿部詩」などと思いやった。
「偉大なチャンピオンは決して死なない」
阿部選手は試合後、自分で立てないほどに泣き崩れた。それを受け、パリ五輪の公式Xはフランス語と日本語で次のように発信した。
「Les grandes championnes ne meurent jamais, elles trébuchent parfois, mais elles se relèvent toujours. On pense à toi Uta Abe」
「偉大なチャンピオンは決して死なない。時にはつまずくこともあるけれど、必ず立ち上がる。私たちはあなたのことを思っています 阿部詩」
この投稿を見た人たちからは、「素晴らしい試合だった。柔道の素晴らしさを再認識できた」「試合後の『うた』コールに心を打たれました」「世界みんなが讃えています」などといった声が寄せられていた。
阿部選手に勝利したウズベキスタンのディヨラ・ケルディヨロワ選手はその後の試合も勝ち進み、見事に金メダルを獲得。パリ五輪公式は同様にXで「金メダルを獲得!」と讃えた。
ケルディヨロワ選手は阿部選手に勝ってもグッと喜びをこらえている様子が印象的だったが、朝日新聞によると、金メダル獲得後の記者会見でその時の心境を次のように語ったという。
「彼女(阿部選手)はレジェンドで、完璧なチャンピオンです。私は試合がすべて終わるまで表情を変えたくなかったし、彼女をとても尊敬しているから、喜びたくなかったのです」