アメリカ・ユタ州で6月、山で迷った認知症の女性が、吠え続けた犬のおかげで発見された。
地元テレビ局KTVXによると、女性は6月24日夕方に犬を連れて散歩に出かけた後、行方がわからなくなった。
家族は一晩探した後に、警察に連絡。37℃近い猛暑の中で捜索が行われたが、女性は見つからなかった。
夜になり、ユタ州野生生物資源局のジェームズ・トーマス自然保護官と救助犬キップが捜索に加わった。同局によると、キップは猛暑で長時間活動するのが難しいため、気温が下がる夜に捜索を開始した。
トーマス氏らが暗い中で捜索を続けていると、午前3時半ごろに犬の吠える声が聞こえたという。
一行は犬の声がした場所に近づいたが、女性を見つけることはできなかった。また、この時キップが山の中腹に向かって走っていったものの、トーマス氏は女性が山を登った可能性は低いと判断した。
しかし翌日、女性の近隣住民から「前日も犬の吠え声が聞こえた」という証言が得られた。
トーマス氏らが防犯カメラの映像を確認すると、山の中腹に向かって歩いていく女性が映っていた。
トーマス氏と住民は、キップとともにこれまで行っていなかった山の高い場所を捜索。夕方に再び犬の吠え声が聞こえたために声のする方へ向かった結果、キップが女性と茶色のラブラドールレトリバーを発見した。
犬はひもでつながれていなかったが、女性のそばにとどまり続けていたという。
トーマスさんは「犬と一緒で本当に幸運でした」とKTVXに語っている。
野生生物資源局によると、女性は脱水症状が進行していたほか、すり傷や打撲があったが、全体的な健康状態は良好で、救出された後に検査を受けるために地元病院に運ばれた。
野生生物資源局は「居場所を知らせようと吠え続けた犬のおかげで、女性の命が救われました。無事に発見されて本当に良かった」と述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。