都立日比谷公園はXの公式アカウントで、トンボが「熱中症警戒のメッセージ」を出したと投稿しました。
「トンボが体で発する、熱中症警戒のメッセージ」と紹介された写真には、お尻を高く上げて逆立ちしているようなトンボが写っています。
どうやら気温35℃以上の条件で観察できる行動のようで、トンボはこの「ピンッとお尻を上げる」ポーズを取ることで「体の受光面積を小さくし、暑さをしのいでいる」そうです。
同園は「このポーズのトンボをみかけたら、くれぐれも熱中症にはご注意ください!」と呼びかけました。
実際、7月に入って熱中症になる人は急増しています。7月1日の週に熱中症で救急搬送された人は9000人超、8日の週では6000人を超えています。
あまりの暑さに「夏ってこんなに暑かったっけ…」と言いたくなる人もいるかもしれません。実際に月ごとの世界平均気温は観測史上最高を更新し続けています。
EUの気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、2024年6月時点で世界平均気温は16.66℃を記録し、観測史上最も暑い6月になりました。月ごとの世界平均気温は2023年6月から13カ月連続で過去最高を更新し続ける「異例の事態」となっています。
コペルニクス気候変動サービスのカルロ・ブオンテンポ所長は「これは単なる統計上の異常ではなく、気候が大きく変化し続けていることを示しています」と指摘しています。
「最近続いているこの極端さがどこかの時点で一段落したとしても、気候が温暖化し続けるにつれて、さらに高気温が更新されていくことは間違いありません。大気と海洋への温室効果ガスの排出を止めない限り、これは避けられません」
暑さへの警戒や対応を行うと同時に、極端な猛暑を引き起こす原因の一つとして指摘されている気候変動を止める行動も必要不可欠です。
気候変動を止めるためには、何よりも国や企業の脱炭素化を急速に進めることが重要です。
例えば日本の温室効果ガス排出の約8割はエネルギー分野から排出されていることから、現在見直しが議論されている「エネルギー基本計画」は気候変動対策の要の一つです。
しかし、エネルギー基本計画を議論するメンバーは「脱炭素に消極的」「50〜70代」「男性」などの特定の利害関係者による影響が大きい可能性があると指摘されています。こうした政策に目を向け、声を上げることも大切なアクションの一つです。
また、国連は個人で気候変動を止めるためにできる10の行動も紹介しています。
・家庭で節電する
・徒歩や自転車で移動する、または公共交通機関を利用する
・野菜をもっと多く食べる
・長距離の移動手段を考える
・廃棄食品を減らす
・リデュース、リユース、リペア、リサイクル
・家庭のエネルギー源をかえる
・電気自動車にのりかえる
・環境に配慮した製品を選ぶ
・声を上げる