7月26日に開幕するパリオリンピックで、ミズノが開発した選手を盗撮被害から守るユニフォーム・ウェアが注目されている。赤外線カメラで撮影しても、下着や体が透けて見えにくい素材を用いているという。
ミズノがサプライヤーを務める日本勢の14競技で着用される見込みという。
どんなユニフォーム・ウェアなのか。
ミズノの公式サイトによると、ミズノは「赤外線防透け」の特長を備えた生地を開発。この生地には、赤外線の吸収性に非常に優れた特殊な材料を用いており、赤外線カメラによる盗撮被害の抑制が期待できるという。
生地の性能テストで、裏側の生地について「なし」「従来生地」「開発生地」の3パータンの透け具合を比較したところ、「可視光画像・赤外線画像ともに絵が見えにくい状態になりました」と報告している。
実際に撮影された赤外線画像を確認すると、「開発生地」を使用した場合、「従来生地」よりも、透け具合が抑えられているのが確認できる。
この「赤外線防透け生地」は、機能性材料に精通する住友金属鉱山、複合材料技術に精通する共同印刷との共同で生まれたという。
ミズノは、アスリートに対する盗撮や性的画像の被害について「可視光カメラだけではなく赤外線カメラを使用し、ユニフォームの内側の下着や身体まで盗撮されてしまうといった被害が実際に起きています」と指摘。これまでも「可視光による透け対策と動的パフォーマンスの両立」を目指してきたが、「盗撮被害対策としては十分な状態ではなかった」と振り返っている。
アスリートへの盗撮問題の解決をテーマに新技術開発に取り組み、今回の「赤外線防透け生地」を開発されたという。
どんなユニフォーム?
この盗撮防止ユニフォームは、パリオリンピックの女子卓球や女子ホッケー、女子バレーボール、体操・トランポリンなどの競技で採用される見込みだ。
日本卓球協会は3月、公式Xでパリオリンピックで卓球代表が着用するウェアを公開している。ミズノもその際の発表で、女子代表のユニフォームについて「特殊な繊維が人体側からの赤外線を吸収する事で、赤外線カメラに対する防透け性を向上し、特に女性アスリートを守り、競技に集中できる環境をサポートします」と表明。
4月には女子バレーボール代表、6月には女子ホッケーと体操・トランポリンのユニフォームがそれぞれ公開され、ミズノは同様の表明をしていた。
朝日新聞によると、パリオリンピックでは日本の計7競技が、生地を使ったミズノ製のユニフォームを使用。サーフィンをのぞく他の7競技でも練習着として利用されるという。