「異界の駅に連れていかれた」。封印された旧成田空港駅の光景が話題

まるでゲームの世界に迷い込んだような世界にびっくり!

まるでゲームの世界に迷い込んだような映像がXに投稿され、話題になっています。

投稿したのは、ヂオくんさん(@giokun)。「電車で居眠りしてたら、異界の駅へ連れて行かれた」と、まるでゲームの世界に迷い込んだような錯覚に陥る映像・写真を投稿しました。

ホームは電気がついておらず真っ暗。「成田空港」と書かれていますが、利用者や駅員がいる様子は感じられません。

実はここ、かつての成田空港駅(現・京成電鉄東成田駅)なのです。東成田駅は、1978年に「成田空港駅」として開業しましたが、1991年に成田空港ターミナルへ直接乗り入れる現在の成田空港駅が開業したことで、空港駅としての役目は終了しました。現在も、使用していない駅設備を当時のまま残しています。

ヂオくんさんは、6月に開催された京成フリーク第3弾「昭和・平成ノスタルジーミュージアム」のイベントに参加し、普段は立ち入ることができない東成田駅を見学。その際に撮影した写真や映像を投稿したといいます。

投稿には1.6万もの「いいね」が寄せられ、表示回数は563.9万にものぼりました。

コメント欄には「初めて知った!行ってみたいな」「都市伝説に出てくる、あのヤバい駅(きさらぎ駅)じゃ無いですよね?」「リアル8番出口(ゲームの名前)!」「人の気配が全くないだけでこんなに異様で怖く感じるんですね」と反響が寄せられています。

ハフポスト日本版は、ヂオくんさんに話を聞きました。

投稿について、「平成初期の閉鎖当時のまま残るこの場所が、幾度かイベントで公開されてきたことを知っていました。私はもともと鉄道ファンで、特に案内表示などのデザインに関心が強く、当時のものをそのままの空間で見れる場所はなかなか無いので、以前より訪問を望んでいました。そんな中今回の催しを知り、更に1日目の22日に参加したフォロワーさんのツイートを見て、23日に駆けつけました」と説明。

ヂオくんさんは、東成田駅に行くのは今回が初めてだったそう。

印象に残った場所について尋ねると、コンコースが圧巻だったとのこと。「かつてのスカイライナーののりば案内や、成田空港から東成田駅への改名を知らせるポスター、『BANK OF TOKYO 東京銀行』(現・三菱UFJ銀行)の広告まで残っていること。

更にコンコースの先にある喫茶店エクレールは、営業看板やカウンターまでそのままな一方で、お店の床には後から通されたパイプが貫き、何かこう、ディストピア映画を想起させ、惹かれる光景でした」と語ります。

また、当時でも英語が併記された案内が随所にあり、「さすが空港駅だ」と感じたそうです。

ヂオくんさんはタイムスリップ的なものを求めて訪問したそうですが、「コンコースではインスタレーション的な演出がなされ、旧ホームでは“ゾクっとする雰囲気”の先に、アパレルショップがある。その非日常感が楽しく感じました。その場にある歴史をそのままに新たな演出が行われていることが素敵で、印象にのこりました」と話しました。

反響に対しては、「改めて映像の再生回数を見て、大変多くの方が見て頂いていることがわかり、ただただ驚いています。現代の中吊り広告が並ぶ普通の電車から旧ホームを眺めた時の、ゾクっとするけど惹かれてしまう感覚ー。あまりの不思議さからあの映像を撮影、あのツイートの表現に行きつきました」とのこと。

続けて、「現地にいた私自身もですが、『8番出口』『きさらぎ駅』といったフィクションを浮かべる方が多く、共感を得られたのかなと思っています。また、本当に寝過ごして東成田駅に降りてしまった方(当然現役のホームの方ですが)、東成田駅の利用者の方、たくさんの反響を微笑ましく読ませて頂きました。この場所に興味を持たれた方は、ぜひ新たな東成田駅の封鎖部分の公開のチャンスを掴んで、実際に『異界』を感じて欲しいと思いました」と語りました。